三菱ガス化学、三菱商事および三菱重工エンジニアリングは、トリニダード・トバゴ共和国において、同国国営ガス会社であるNational Gas Company of Trinidad and Tobago Limited(以下、NGC)および同国企業のMassy Holdings Ltd.社(以下、Massy)と共同出資しているCaribbean Gas Chemical Limited(以下、CGCL)でメタノール/ジメチルエーテルプラントの商業運転を開始したことを発表した。 

CGCL社プラント

CGCLは、2013年3月に設立され、トリニダード・トバゴ共和国の天然ガスを主原料として、メタノール生産量100万トン/年、ジメチルエーテル生産量2万トン/年の生産能力を有するプラントの建設を進めてきたもので、2020年12月18日から商業運転の運びになったという。

メタノールは多くの川下製品を持つ基礎化学品の一つで、接着剤、農薬、塗料、合成樹脂、合成繊維の原料等幅広い用途に使用されており、最近では重油に代わる船舶燃料等、環境に優しいエネルギーとしての用途への注目も高まっている。

さらにメタノールは二酸化炭素からも製造が可能であり、有望な水素キャリアでもあることから将来の低炭素社会、持続可能な社会発展に貢献することが期待されている。
また、ジメチルエーテルは、スプレー噴射剤など日用品用途に加えて、LPG代替、自動車および発電向けディーゼル燃料代替として注目されている次世代クリーンエネルギー。

 現在のメタノール世界需要は年間約8,100万トンであるが、今後もGDPの伸びに沿って需要は堅調に成長していくことが見込まれている。

三菱ガス化学、三菱商事、三菱重工エンジニアリングは本事業を通じて、世界的に伸長するメタノール需要を満たすと共に、同国並びに周辺カリブ海諸国の経済成長に貢献することを目指していくとのことだ。