ウェザーニューズは、タイ国有鉄道(以下、タイ国鉄)に対し、1月より鉄道事業者向け運行可否判断支援サービス「Go or NG Decision Support」の提供を開始したと発表した。
東南アジアの鉄道事業者による気象情報の活用は、タイ国鉄が初めてとなり、同社鉄道気象サービスの海外への提供は、台湾の鉄道会社に次いでタイが2件目となる。
これまでタイ国鉄では日本の鉄道のように、気象条件に応じた運行規制基準がなく、災害を想定した運休や規制の判断が困難であった。
しかし、タイでは特に6月~10月の雨季に台風や短時間強雨・雷雨による冠水や土砂崩れなどの被害が発生するという。
災害発生後に気象条件が厳しかったことを把握することもあり、安全性と安定性を追求した運行を行うには、従来のやり方では難しい局面も多く見受けられるという。
同社がタイ国鉄に提供を開始する鉄道気象サービスは、日本国内の大手鉄道事業者約80%で導入され、気象リスクを加味した計画的な運休、車両退避、運行再開のタイミング等の判断のサポートを行う。
同社の国内の鉄道事業者、タイの航空会社等へのサポートや、全世界の気象情報を扱う実績をもとに、1月から開始した運行可否判断支援サービス「Go or NG Decision Support」では、沿線に設置してある観測機からの雨量データと気象予測を提供するとのことだ。
今後は各路線の雨量観測データの分析と運用をしながら、最適な運行基準値を検討し、雨量データが基準値を超えた場合に冠水や土砂崩れのリスクをアラート通知することで事前の運行計画の判断をサポートするとしている。