交通誘導警備・イベント警備業を行うセキュリティロードは新会社を設立し、宮崎県内で初めて「大人の発達障害」に特化したプログラムを提供する就労移行支援事業「ディーキャリア」を宮崎市にて開所することを発表した。
2021年1月に開設する「ディーキャリア宮崎オフィス」は、2020年5月に設立した新会社「エイジングファン」が運営し、発達障害の特性による困りごとがある人へ、就職するための訓練や就職活動支援を行う福祉サービス。
ビジネスでの実践的なコミュニケーション指導や仕事の模擬実践など、利用者の特性に応じたカリキュラムで、就職活動をサポートするという。
同事業は、発達障害者(利用者)・その家族・働く従業員・就職先の全てを「ありがとう」の気持ちにさせてくれる、誰もが幸せになれる事業だと考えているとのことだ。
また、障害者を雇用しているセキュリティロードも、同事業を通じ、障害者への理解を深め、活躍の場を生みだすことで相乗効果を期待しているとしている。
エイジングファンは、ハッピーテラスが運営する障害福祉事業所「ディーキャリア」にフランチャイズパートナーとして加盟。「ディーキャリア 宮崎オフィス」として開所、運営。
対象者は、18~64歳・障害福祉サービス受給者証を持つ人で、定員20人。
「やりがいを仕事にする」ための専門カリキュラムを用意し、自己分析などを通して自身の強みと弱みを認識、目標を設定し、また、事務作業などの模擬業務や職場体験を通じて適性職種を見つけ、弱みへの対処法も学ぶことができるという。
実施後は、履歴書の作成や面接練習で就職を目指し、就職後は相談に応じるなど、職場への定着をサポート(6か月間)するとのことだ。
なお、障害のある人の平均職場定着率は、精神障害:49.3%、発達障害:71.5% に対して、ディーキャリアを利用した人の就職後職場定着率(就職後6か月)は93.4%という実績があるという。
「発達障害」は、統計上に表れない障害としても近年注目を集めている。
これは軽度発達障害の場合、身体・知的・精神障害のいずれの基準にも当てはまらない障害と考えられており、先の統計には含まれないためであるとしている。こういった潜在的な障害者を含めれば、国民40人に1人以上が障害を持っている可能性があるともいわれているとのことだ。
一方、厚生労働省は、法定雇用率(民間事業):現在2.2%を2021年1月に予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け2.3%への引き上げは2021年3月1日に後ろ倒しを発表した。
現在、宮崎県では2019年6月には、法定雇用率達成企業の割合が63.0%(全国3位)と実雇用率2.45%(全国 9位)であるが、雇用障害者数は2,873.5人と増加傾向にあるという。
障害者はごく身近。同社は、同事業を通して誰もが働きやすく活躍できる社会や労働環境向上へ邁進したいと考えているとのことだ。