パーソル総合研究所は、「人材マネジメントにおけるデジタル活用に関する調査 2020」(同調査結果は10月30日ニュースリリースで発表済み)に関連して、新型コロナ感染拡大のレベルに応じた企業のテレワーク方針を集計。

テレワークを認めるとの企業の回答割合(原則テレワークもしくはテレワーク推奨と、希望に応じてテレワーク可との合計)は、①緊急事態宣言が発出された場合は71.1%、②新型コロナ感染リスクがある場合は60.1%、③新型コロナ収束後の場合は44.8%となっているという。

企業の方針として原則テレワーク/テレワーク推奨とする企業は、新型コロナ感染リスクがある場合で23.5%。新型コロナが収束した場合でも、その約半数程度となる全体の11.9%の企業が原則テレワーク/テレワーク推奨の方針をとる見込みであるとのことだ。

パーソル総合研究所 研究員の砂川和泉氏による分析コメントは以下。

いま新型コロナの感染リスクが高まっている状況と言え、調査結果に則れば、現在、企業の少なくとも6割超はテレワークを認めていると考えられる。しかし、そのうち「原則テレワーク/テレワーク推奨」という積極的な意思を表明している企業は2割強に過ぎない。パーソル総合研究所が今年の5月末から6月初頭にかけて行った「第三回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」でも、テレワークの企業方針について「特に案内がない」との回答割合は57.1%に及び、勤務先から明確に意思表示されない傾向が見受けられた。」

テレワークの実施を企業側が推奨せずに従業員側の意向にゆだねる場合、テレワークができる仕事や状況であっても、上司や同僚などに気がねして出社してしまうこともありうるだろう。新型コロナ感染拡大の防止や、従業員の健康配慮の観点から、実際に個々のテレワーク実施率やテレワーク頻度を上げるためには、企業が希望に応じてテレワークを認めるだけではなく、経営としてはっきり推奨する、繰り返し伝えるなど、明確な意思表示が求められる。

調査概要
調査名称:パーソル総合研究所「人材マネジメントにおけるデジタル活用に関する調査2020」
調査内容:人材マネジメントにおけるデジタル活用実態と課題を定点的に把握し、導入・活用のポイントを整理する。
調査手法:調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査期間:2020年7月28日- 7月30日
調査対象者:人事・総務・経営企画担当者
自社の人材マネジメントにおけるデジタル活用動向を把握している人
(自社で活用していないことを把握しているケースも含む)
・従業員規模:従業員100名以上 / 業種:第一次産業は除く
・担当職務:給与・社会保険・労働法規のみ担当者は除く
・資本:内資・外資不問
有効回収数:800名
実施主体:パーソル総合研究所