リモートワークで手に入れた仕事も趣味も楽しむ生活

2020年はコロナ禍によっていままでの暮らしとは大きく変わった方も多かったのではないだろうか。外出が制限される、家で仕事をする時間が増える、旅行や趣味も思う存分楽しむことができずにストレス解消もできないなど、さまざまだろう。

私も例外ではなくコロナ禍によって少なからず、生活が変わったが、大きなストレスを感じることなく、仕事も趣味も行うことができている。

その大きな要因は、3年前に都内から高尾に引っ越したこと。もともとは世田谷に住んでいたが、結婚を機に高尾に引っ越したのだ。

高尾に引っ越した理由は大きく2つ。1つはリモートで仕事ができる環境があること。

私の働く会社キャスターは、「リモートワークを当たり前にする」というミッションを掲げ、オンラインアシスタントサービスをはじめとする人材サービスを提供している。メンバーはオフィスへの出社義務がなく、約700名のスタッフがほぼ全員リモートワークという働き方で物理的に集まるということはない。そのため、もちろん出社という概念もない。ジョインして4年半、この生活を送ってきた。

コロナ禍以前にはこのような話をすると、「どうやって仕事してるの?」「コミュニケーションは?」と聞かれることが多いのだが答えはシンプルだ。

チャットとオンラインでのミーティング。

オフィスでメンバーと会話するのと同様に、仕事を始めると同時にチャットを送り、それぞれの仕事を進める。話をして物事を決めたり、相談したいときなどはURLをひとつクリックすればいつでもオンラインでミーティングで話しができる。

感じている読者も多いと思うが、転職した当時感じていたのは、前職でメンバーがオフィスに集まり仕事をしていた時に比べると、仕事は進むし、受け取れる情報も圧倒的に増えた。

このような仕事のスタイルだと、世田谷にいようが高尾にいようが、全く仕事に支障はない。だからメリットの面である自分が好きな場所に引っ越すことができた。

引っ越しをした2つめは先の理由とも関連するが、大好きなトレイルランができる環境が整っていること。

私は趣味という範疇を超えてトレイルランという山を走る競技に没頭している。海外の大会や国内で成果を出すことを狙い、年間で取り組んでいる。過去、海外の100㎞を走る大会で優勝することもできた。より没頭して成果を出すには、と考えた際に移住が選択肢にあがってきた。

中でも、高尾は高尾山をはじめとする様々な山があり、いまの自宅からもたった1kmで登山口に行ける。最近では山だけではなく陸上競技場も自宅近くに出来て、走るのにはこの上ない環境になっている。高い次元で仕事との両立を図れると考えた。

そんな環境でありながら都内へのアクセスが良く、新宿までは1本の電車で40分ほどで行ける。しかも始発で座ることができるため移動のストレスはほとんどない。そんな環境の良さから、高尾に引っ越すことを決めた。

リモートワークを充実させるためのポイント

リモートワークで本格的に就業してから4年半となるが、下記のポイントが「成果を出す」「充実した生活を送る」ために重要だと感じる。

1つは自宅環境を充実させること。

リモートワークなのでどこで仕事をしていてもいいのだが、圧倒的に過ごす時間が多いのはやはり自宅。つまりは1日のほとんどの時間、日によっては丸々24時間自宅で過ごすことになる。

その環境が自分にとって快適なものでなければ、いくら好きな場所に住んでいても気持ちよく生活することは難しい。リモートワークに移行してこの点に悩まされた方もいるのではないだろうか?

いまの自宅は2LDKで広さは約70平米ほどで、仕事のスペースと趣味、寝室とそれぞれの目的に合う部屋がある。趣味の部屋やキッチンはDIYをして自分たちにとって快適に使えるようにした。自炊を行うことでストレス解消し、健康的な食事がいつでもできるのも嬉しい。

結果的にこうした自宅環境を手に入れたが、もしこの条件と同じ物件を都内で探そうと思うといまの家賃の2、3倍はかかるだろう。そういう意味でも移住先が郊外である高尾だからこそ、自分たちの理想とする自宅環境を手に入れられたのだと思う。

もう1つは時間の使い方にメリハリを持たせること。

先の住環境でも触れたが集中するためには作業を部屋で分けることを実践している。リモートワークだと通勤、それに伴う準備がなくなるので、自由に使える時間は増えるが、一方で「切り替え」の重要性も増してくる。自分の1日のスケジュールとしては朝7時、8時に起きて、すぐに走りに行き、シャワーを浴びて9時、9時半には仕事を始める。そこから空いてる時間に昼食をとり、だいたい19時くらいに切り上げる。

そこからはチャットを確認したり多少の仕事をすることはあるが、基本的にPCは開かずスマホでできるようにしている。家でいつでも仕事ができるからこそ、メリハリとしてできるだけ夜にPCでがっつり作業を行うことなどは避けている。どうしても夜に仕事で脳をフル回転させて、ブルーライトを大量に浴びてしまうと睡眠に影響が出てしまうからだ。

できる限り健康に日々活動的に生活できるように、睡眠は非常に大切にしている。寝る前はゆっくりお風呂に浸かり体を温め、そのあとはストレッチやセルフマッサージなどを行い、心身ともにリラックス。寝る1時間前からはほとんどスマホも見ないし触らない。そうすることでぐっすり寝ることができ、次の日もいい朝を迎えられる。

自宅が仕事場でいつでも仕事ができるからこそ、メリハリを持たせるようにしている。

生活にも気持ちにも刺激をくれる第3のコミュニティ

ここまでの話だと、仕事はオンラインで、走る以外はほとんど家にいることになり、高尾に引っ越したことによる寂しさや疎外感はどうなのと思うかもしれない。

それに関しては家族、仕事以外の第3のコミュニティの存在が大きい。

「健ちゃん練」という毎週都内で練習をするチームや自らがコーチを担当する「ランボーズ」というチームがこの第3のコミュニティにあたる。

都内に出るのはストレスだが、好きな人に会いに行くと思えば都内への移動もストレスではなく楽しみに変わる。

月に2〜4回はランニング仲間と練習に行き、妻と行きたいレストランに行き、強制されるのではなく、自らの意思で都内に出て、高尾ではできないことを楽しんでいる。

こうしたコミュニティで新しい人たちとも出会えて、都内にいたとき同様、もしかしたらそれ以上に刺激も得られている。

自分自身で選択することが増えるリモート環境下。充実した生活のためにどこに住むかも重要な選択だ。この高尾での生活と都内でのアクテビティがゆえに心身ともに豊かに暮らせているのかなと思う。

文:村田諒