元旦における日本の文化的行事である「初詣」、2021年になり、皆さんはもうお参りしただろうか。
新型コロナの影響で、初詣を控えたり、直接会うことなくキャッシュレスでお年玉を渡したりするなど、生活様式は大きく変わりつつある。
今回、「初詣」と「お年玉」に関する調査をまとめて公開する。
- 全体の約4割が「初詣」を控えると回答
- 例年と異なるお正月の楽しみは?
- 初詣も分散傾向、2割は“いつ行くか決めていない”
- 2021年の初詣は“密を避けて近場でさっくり”が主流に
- 「キャッシュレスのお年玉」過半数が賛成。コロナを機に昨年より増加
- 賛成派の声「コロナ感染リスク軽減」、反対派は「ありがたみがわからない」
- 2021年のお年玉、キャッシュレスであげる理由のトップは「コロナ対策」
- お年玉の金額の平均値は4,470円、中央値は3,000円
- 低所得になるほど経済的負担感が増加し、年収100万円台の人の88%が負担になると回答
全体の約4割が「初詣」を控えると回答
全体の傾向については、大半が何かを控えると回答した一方で、特に控えないと回答したのは全体の2割を占め、5番目に多い回答だった。
お正月を過ごす際、最も多く控えると回答したのは「初詣(41.9%)」で、理由からは「初詣に行きたいがコロナもあるし小さい子もいるので行きづらい」など、感染拡大への不安から初詣に行きにくいという考えがあったという。
例年と異なるお正月の楽しみは?
お正月は、例年と異なって楽しみにしていることがあると回答したのは約42%おり、理由の約7割以上は、「例年より家族と過ごす時間が長い」「初めて我が子と過ごす正月なので実家と義実家へ帰省し、親が喜ぶ顔を見るのが楽しみ」など、家族と過ごす時間を喜ぶ声が多かった。
他に、「帰省をしない分、贅沢なおせちや料理を頼もうと思っている」「例年より高価な食材を頼んだ」など巣ごもり正月のおせち需要の高まりがみられたとのことだ。
アンケート概要(上記2項目)
調査概要:子育て世代のお正月の過ごし方
調査期間:2020年11月30日〜2020年12月7日
調査対象:アプリ(授乳ノート・ステップ離乳食・ワクチンノート)ユーザー
調査方法:インターネット調査
初詣も分散傾向、2割は“いつ行くか決めていない”
いつ初詣に行くかを聞いてみたところ、元日(「大晦日から年明けにかけての夜中」~「元日の夕方~夜」の合計)とした人は例年では約半数なのに対し、2021年は43%となっている。
三が日中(1月1~3日)でも78%→68%と10%ポイント低下。
一方で、三が日を除いた松の内(4~7日)は7.8%→9.3%と増加しており、初詣も混雑が予想される日を避けて分散する傾向が見て取れるとしている。
また、2021年については「特に決めていない」人が2割と例年より多くなっていることから、混雑状況をみてから参拝に行くつもりの人や、いつ行くか決めかねている人が多いと推測されるとしている。
2021年の初詣は“密を避けて近場でさっくり”が主流に
例年および2021年に初詣で行く神社仏閣を聞いたところ、「自宅から最も近い寺社」が3%ポイント増加。
一方で、“密”を避ける意味からか「自宅周辺で最も大きい寺社」「テレビや新聞でニュースになるような寺社」、帰省・旅行を予定している人が減ったのを反映してか「帰省先・旅行先の寺社」はいずれも例年より低下した。
調査概要(上記2項目)
調査機関:プラネットによる調査企画をもとに、ネオマーケティングにて「年末年始の過ごし方」に関する意識調査を実施。
期間:2020年11月12日~16日、インターネットで4,000人から回答を得た
「キャッシュレスのお年玉」過半数が賛成。コロナを機に昨年より増加
全国の子を持つ男女300人に、「お年玉のキャッシュレス化についてどのように思いますか?」とたずねたところ、「とても良いと思う」が10%、「まあ良いと思う」が41%と、過半数の人がキャッシュレスのお年玉に対し肯定的な考えを示した。
過去2年間に実施した同調査では、賛成派が30%台だったのに対し、2021年はお年玉のキャッシュレス化を肯定的に考える人が増加している。
賛成派の声「コロナ感染リスク軽減」、反対派は「ありがたみがわからない」
キャッシュレスでのお年玉賛成派は、昨年までの 「支払いが便利」という声に加え、今年は新たに、新型コロナウイルスに関連した「非接触なので感染リスクを軽減できる」「帰省自会えなくても贈ることができる」といった声が聞かれたという。
一方、反対派は「お金のありがたみ、価値がわからない」という意見が、圧倒的多数となった。
2021年のお年玉、キャッシュレスであげる理由のトップは「コロナ対策」
「お年玉をキャッシュレスあげる」と回答した人にその理由をたずねたところ、「新型コロナウイルス対策として衛生面で安心だから」「帰省自粛で現金のお年玉を渡せないから」といった今年ゆえの理由が同率で首位となった。
なお、キャッシュレス手段としては「◯◯Payなどのスマホ決済」「nanacoなどのプリペイド型電子マネー」「Suicaなどの交通系ICカード」が上位にあがる結果になった。
調査概要(上記3項目)
調査テーマ :「コロナ禍のキャッシュレスとお年玉に関する意識調査」
調査方法: インターネットによるアンケート調査
調査地域: 全国
調査対象 :子どもがいる男女300名
男女比:男性 50%、女性 50%
年齢構成:20代 2%、30代 11%、40代 33%、50代 54%
調査実施日 :2020年11月2日
お年玉の金額の平均値は4,470円、中央値は3,000円
1封あたり(1人あたり)のお年玉の金額は平均値が4,470円、中央値が3,000円となった。
今回のアンケート調査は選択式ではなく直接数値を入力する形式だったが、1,000円、2,000円、3,000円、5,000円、10,000円といった切りのいい額が好まれる傾向が強く、その結果ヒストグラムが若干いびつな形になっているとのことだ。なお、最も多かった回答は5,000円。
低所得になるほど経済的負担感が増加し、年収100万円台の人の88%が負担になると回答
お年玉の出費について経済的に「負担になる」「どちらかというと負担になる」と答えた回答者は全体の75%となった。
年々お年玉の金額が高騰する中、お年玉の出費は多くの世帯にとって経済的負担となっている状況が明らかになった。
さらにお年玉出費による経済的負担の度合いは、世帯収入が低い回答者ほど大きくなることも判明。
中でも年収100万円台の層については88%が「負担になる」「どちらかというと負担になる」と回答した。
調査概要(上記2項目)
調査名:ワイズローンお年玉実態調査2020
調査期間:2020年1月6日~7日
調査方法:オンラインによるアンケート調査
有効回答数:1,090名(回答率100%)
調査対象:2020年に誰かにお年玉をあげた日本在住の男女
今年の「初詣」と「お年玉」は、密回避や非接触がキーワードとなっている。
これまでの当たり前だった常識がたった一つのウイルスで覆されつつある。
2021年、まだまだこの新型ウイルスと人類との戦いは続きそうだが、早く事態が収束し、普通の生活に戻れることを祈るばかりである。