南海電気鉄道、三井住友カード、QUADRAC、ビザ・ワールドワイド・ジャパンは、2021年春より南海電鉄の一部の駅において、Visaのタッチ決済とQRコードによる入出場の実証実験を実施すると発表した。
駅の改札でVisaのタッチ決済による入出場を可能とするのは国内初とのことだ。
キャッシュレス決済はこれまでインバウンド消費やキャッシュレス・消費者還元事業を追い風に着実に拡大してきたという。
コロナ禍に伴う新しい生活様式のなかでも、キャッシュレス、とりわけ「非接触決済」に関する消費者の意識が高まっており、「タッチ決済」は今後普及が急速に進み、2025年の大阪・関西万博時には日常の風景になるものと期待しているとのことだ。
日常生活に欠かせない交通分野においては欧州をはじめとする世界の多くの都市で既にVisaのタッチ決済が一般的に利用されており、日本でもより便利で安心な日常を提供できるものと考えているとのことだ。
今回の実証実験では、大阪ミナミの中心地「なんば」と関西の空の玄関口「関西国際空港」や、「和歌山」、世界遺産「高野山」を結ぶ南海電鉄の一部の駅にVisaのタッチ決済用改札機を設置予定。
設置駅や内容などの詳細については、実証実験開始前に改めて実施するとのことだ。
これにより、日本国内の利用者はもとより、海外からの旅行者も、Visaのタッチ決済対応カード一枚で移動から買物まで完結でき、大きく利便性が向上するとしている。
なお、今回、同事業は国土交通省から日本版MaaSの普及に向けた基盤整備の一環であるキャッシュレス決済の導入に対する支援事業に選定されているという。
実証実験では、2種類のサービスを提供。
「都度利用」:Visaのタッチ決済機能のあるクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードを、入場時と出場時に改札機へかざすことにより、改札通過と運賃精算をすることができ、普段使いのVisaカードにより乗車区間の運賃をその都度決済。
「事前購入」:南海電鉄が提供するアプリまたは販売サイトで企画乗車券を事前に購入し、スマートフォンに表示されたQRコードを入場時と出場時に改札機へかざすことにより改札通過を可能とする。
なお、Visaのタッチ決済は、券面にタッチ決済対応のマークがあるカードで利用可能とのことだ。
狙いは以下の3点。
1.鉄道利用客の利便性向上
インバウンド旅客を中心としたユーザーに対し、日常使い慣れたVisaカードで直接入出場を可能とすることにより、アフターコロナを見据えた受入基盤の強化を図る。
2.ウィズ/アフターコロナにおける非接触決済を活用した新たな生活様式への対応
企画乗車券の発売方法を現在の窓口での発売・引き換えに加えて、事前にアプリまたはWEBサイトで購入し直接入出場できるようにすることにより、利便性向上と接触頻度の低減を図る。
3.企画乗車券のデジタル化
新たな販路拡大と、デジタルチケットを活用したMaaS事業への展開を図る。
実施期間は2021年春から2021年末までを予定。
各社の役割は以下。
南海電気鉄道:サービスの企画、設計
三井住友カード:Visaのタッチ決済導入支援、steraプラットフォーム提供
QUADRAC:交通事業者向け決済および認証に関する、SaaS型プラットフォームの提供
ビザ・ワールドワイド・ジャパン:Visaのタッチ決済に関するソリューション提供