アシックスは、在宅勤務や外出自粛が身体に与える影響を調べるため、同社が提供する企業向け健康増進プログラム「ASICS HEALTH CARE CHECK(AHCC)」の同社社員を対象とした診断結果を分析。

その結果、コロナ禍において筋力や柔軟性に関する項目が悪化した一方で、オンラインフィットネスを活用して運動を習慣づけることで、これらの改善が期待できることがわかったと発表した。

今回の調査は、2019年と2020年にAHCCを受診した同社社員208人を対象としているという。

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、外出機会が大幅に減少した緊急事態宣言解除直後に計測を実施した2020年のデータと、2019年に計測したデータを比較することで、コロナ禍での生活様式の変化が身体に与えた影響を定量的に分析。

また、在宅におけるオンラインフィットネスの効果についても検証したとのことだ。

分析内容 
 - AHCCにおける各計測項目の2019年と2020年の比較 
 - 運動習慣の改善有無によるAHCCの各計測項目を比較 
 - オンラインフィットネスの効果検証

分析結果

脚力、持久力、肩関節の柔軟性の数値が2019年と比べて悪化したほか、運動習慣の差により、下肢筋肉量・肥満度・持久力およびAHCC評価指数(健全年齢・体力年齢)に変化が見られたという。

また、8週間、週3回以上のオンラインフィットネスに参加することで、脚力と肩の柔軟性が有意に向上することが確認できたとのことだ。

2019年と2020年のAHCC計測結果比較
運動習慣によるAHCC計測結果比較
8週間、週3回以上のオンラインフィットネス参加の結果

今回の結果は、身体活動量や歩数の減少、デスクワークの増加などが、脚力、持久力、肩関節の柔軟性に悪影響を与えた可能性があることを示しているという。

また、意識的に運動習慣を改善することで下肢筋肉量や肥満度、持久力が向上し、健康増進に寄与することが確認できたとのこと。

さらに、ウイルスの脅威と共存するために求められている新しい生活様式における運動実践として、適切なオンラインフィットネスを実行することで健康増進が期待できることがわかったとしている。

今後は、同調査に関する研究をさらに進めるとともに、コロナ禍における運動習慣の改善をサポートする製品・サービスの開発、啓蒙活動に努めるとしている。