JFEエンジニアリング、使用済み紙おむつの燃料化実証設備を竣工

JFEエンジニアリングは、新潟県十日町市より使用済み紙おむつをリサイクルし、燃料化する実証設備を受注し、竣工したことを発表した。

使用済み紙おむつは一般廃棄物重量の約4%を占めており、高齢化の進展とともに2030年には6%以上にまで上昇すると見込まれている。

使用済み紙おむつは現状主に焼却処理されているが、燃料化するなどのリサイクルを行うことで、可燃ごみの排出量削減に貢献するという。

また、リサイクルを進めることは、地方自治体が焼却施設更新する際の施設規模最適化や処理費用最小化を可能とし、さらに焼却灰の埋立量やCO2排出量の削減も期待できるという。

今回の事業スキームは、十日町市内の高齢者施設から排出される使用済み紙おむつを、十日町市エコクリーンセンターからごみの焼却処理に伴い発生する余熱を利用して衛生的に処理した後、燃料ペレットに加工し、排出元の高齢者施設の給湯ボイラー燃料として利用するもの。

燃料化装置の熱源はすべて同センターの余熱を利用し、使用済み紙おむつは「廃棄物」からボイラーの「燃料」に生まれ変わり、同市におけるエネルギーの地産地消に貢献するとのことだ。

同社は、十日町市エコクリーンセンター内に設置する燃料化装置と、高齢者施設内に設置する給湯ボイラーまでのシステム全体のエンジニアリングと工事を担いったという。

また、紙おむつ燃料化装置を企画・販売するスーパー・フェイズおよびチヨダマシナリーと共に十日町市と研究を進め、受注に至りました。今後も3社でこの方式を拡販していくとのことだ。

使用済み紙おむつは今年3月に環境省よりリサイクルのガイドラインが公表され、各自治体でのリサイクルが推奨されるようになった。

今回採用した燃料化装置は、同ガイドラインで例示された4種の再生利用方式のひとつに該当し、さらに、リサイクルに必要なエネルギーに清掃工場の余熱を利用するものとしては全国初の事例になるという。

同社は廃棄物発電やリサイクル分野のリーディングカンパニーとして、環境負荷の低減およびSDGsの達成に貢献していくとしている。

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