塩野義製薬、長期作用型抗HIV治療としてカボテグラビルが承認されたことを発表

塩野義製薬は、同社がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(以下、ViiV社)が、Vocabria(一般名:カボテグラビル)について、欧州において初となる長期作用型のHIV-1感染症治療薬として欧州委員会より承認を取得したことを発表した。

Vocabriaはカボテグラビルの注射剤および錠剤であり、Janssen社のRekambys(リルピビリン注射剤)およびEdurant(リルピビリン錠)との併用で治療に用いられるという。

同承認は、既存の3剤経口レジメンの1日1回投与によりウイルス抑制が達成されているHIV感染患者を対象として、カボテグラビルおよびリルピビリンの注射剤を月1回投与するATLAS試験、同様の患者を対象にカボテグラビルおよびリルピビリンの注射剤を2か月に1回投与するATLAS-2M試験、および、治療歴のないHIV感染患者を対象としたFLAIR試験の良好な結果に基づいている。

Vocabria(カボテグラビル注射剤)とRekambysは、医療従事者により臀部に2回個別に筋肉内注射(IM)として投与される。

注射剤による治療開始前に、Vocabria(カボテグラビル錠)およびEdurantを約1か月(最低28日間)経口投与し、両剤に対する忍容性を確認するという。

欧州におけるカボテグラビルおよびリルピビリンの長時間作用型レジメンの承認は、カナダにおける承認取得に続くもの。

米国においては、カボテグラビルとリルピビリンの月1回投与の新薬承認を7月にFDAに再申請している。

その他の諸外国でも承認申請し、各国の規制当局により審査中とのことだ。

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進している。

HIV感染症は今なお国際社会における大きな課題となっている。

2019年末時点において推定3,800万人がHIVに感染しており、年間170万人が新たにHIVに感染している。

同社はViiV社の株主として、世界中の人により良いHIV感染症の治療および予防の選択肢が提供されることを期待するとともに、今後も同社の経営に参画することで、HIV感染症治療や予防におけるドルテグラビルおよびカボテグラビルの価値最大化に貢献していくとのことだ。

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