PR TIMESは、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」において 2020年1月1日~11月30日に企業から配信した総計18万4,050件のプレスリリースを対象に、年間データ分析と総括、業界別分析と各種ランキングなど発表した。
「PR TIMES」では、企業の発表情報(プレスリリース)をメディア記者向けに配信してニュースの情報源として提供し、PR TIMESサイトおよびパートナーメディアに掲載し、最新の一次情報をタイムリーに知れるコンテンツとして、生活者にも閲覧・シェアされている。
サイトアクセス数は月間5,000万PV(ページビュー)を突破しているとのことだ。
今回、上記の通り、年間データ分析と総括、業界別分析と各種ランキングなどを発表した。
【月別プレスリリース件数推移】緊急事態宣言解除後の6月に反動、そして10月に過去最高数
新型コロナウイルス感染拡大初期にあたる2月から4月にかけて、平時であれば発表されるはずの春からゴールデンウィークに関する前向きな発表が控えられ、前年同月比で見ても4月に向けて伸びが鈍化していったことが伺える。
また、5月25日に緊急事態宣言が解除され、6月の企業発表が反動で大きく伸びた様子が見えるという。
それ以降は前年同月比でも高い成長率を保ち、「Go To キャンペーン」をはじめとする経済回復への企業活動もあり9月以降11月まで毎月2万件を超えるプレスリリースが配信された。10月は過去最高の月間2万1,746件を記録。
【キーワードランキング】コロナの9か月連続首位を阻んだのはあのイベント、DXの上昇にも注目
「PR TIMES」ではプレスリリース配信の際に、発表企業がプレスリリース内容に関係するキーワードを最大10個登録することができる。
2020年1~11月に配信された18万4,050件のプレスリリースのキーワード登録総数は140万6,819件に上ったという。その登録数ランキングからは、企業がその時々に取り組む課題や、社会情勢に合わせて企業が自ら変化する様が見えてくるとのことだ。
また、年間総合ランキングでは2020年を象徴するキーワードが、そして月別ランキング推移からは企業動向の変遷がキーワードを通して浮かび上がってきたとしている。
年間総合キーワードランキング
年間総合ランキングは、キーワードが登録されたプレスリリース件数で年間ランキングを集計。
2020年はやはり「コロナ」が最も多く登録されたキーワードに。
新型コロナウイルスの感染予防グッズ、対応サービス、支援情報、調査結果や自社対策など、幅広くコロナ関連プレスリリースが発表された一年となった。
次いで2位には「テレワーク」が入り、テレワーク・リモートワークに関するサービスや付随する取組みが発表されたという。
また、6位に「オンライン」、8位に「おうち時間」、9位に「EC」がランクインし、人と人の対面機会が減る中でオンライン化した施策やおうちで楽しめる商品、ネット通販開始などが多くランクイン。
さらに、下半期に登録数が伸びてきた「DX」が総合14位に入り、企業のデジタル活用が本格的に求められ「DX(=デジタルトランスフォーメーション)」がことばとして急速に定着しつつある様子がうかがえる。
月別キーワードランキング推移
各月内に配信されたプレスリリースにおいて、登録件数が多いキーワード上位20をランキング表示。
日本における新型コロナウイルスの関心が高まった3月以降は「コロナ」関連がずっと1位で、11月に「クリスマス」が1位を塗り替えるまで続くという結果に。
「テレワーク」も3月以降に働き方として常態化した様子が表れており、「オンライン」「おうち時間」は4月以降トレンドとして定着。
平時なら人気ワードの「期間限定」は、コロナ第一波の4~6月に姿を消したものの、7月以降に徐々に戻りつつあり、「キャンペーン」も7月開始の「Go To トラベルキャンペーン」や10月開始の「Go To Eatキャンペーン」を筆頭に各社が秋に向けてキャンペーンを発表した様子が見えてくる。
コロナ第一波で品薄状態となった「マスク」はその当時に発表数が急上昇し、生産が安定してくると入荷などの発表数は落ち着き、付加価値を訴える製品情報へと移行したとしている。
また、6月以降「EC」も定番化してネット通販が販路として存在感を強めている他、「DX」が7月に初めて上位20にランクインして以降、急激に順位を上げており、一時的なテレワークでなく企業の本格的なデジタル活用に関わるサービス発表が増しているとのことだ。
【業界別動向:外食・中食】テイクアウト、デリバリーを開始する飲食店が急増
2月以降、徐々に広がる新型コロナウイルスへの懸念から「外食・中食」業界の情報発信は、緊急事態宣言発令の4月に底を打つかたちで一旦減少。
5月以降、緊急事態宣言の解除による営業再開のお知らせや、新しい生活様式に対応した店舗企画や新メニュー発表など、プレスリリースの機会が増えている。
「外食・中食」業界プレスリリースにおいて、登録キーワード数の増加が顕著だった「テイクアウト」「デリバリー」の月別件数を見ると、4月から急増していることが分かるという。
3月頃から各自治体による自粛要請がはじまったことで、飲食店でいつも通りの外食が難しくなり、これまで「テイクアウト」や「デリバリー」を実施していなかった店舗でも、中食ニーズに対応する飲食店が増えたことを顕著に示している。
実際に飲食店プレスリリースにおいて、「テイクアウト」「デリバリー」の開始を発表するものが多く見られたとのことだ。
【業界別動向:食品・飲料】おうち時間を楽しむ商品情報が増加
「食品・飲料」業界では、前年割れとなった4月以降、プレスリリース件数の伸び率は他業界と比較すると回復がやや緩やか。
また、4月の緊急事態宣言後、外出自粛をポジティブに過ごそうとすることで社会に浸透した「おうち時間」は、4月以降のプレスリリースにおいて、新たなキーワードとして、登録数が増加。
「おうち時間」がキーワード登録されたプレスリリースには、自宅調理用の食材やプチ豪華な食品などのオンライン販売開始が目立ったという。
【業界別動向:ネットサービス・アプリ】面会、イベント、販路がオンライン化
「ネットサービス・アプリ」業界では、3月の外出自粛を受けて生活者向けのアプリやネットサービスの発表が増えていき、4月~6月は前年比1.5倍ペースで急増。
今年は、仕事やプライベートにおいてオンライン化が進んだ一年であるという。
オンラインであることが前提である業界であることから、これまでキーワード登録されることの少なかった「オンライン」であるが、今年は面会、イベント、販路のオンライン化など、これまで以上にオンライン化が進んだこともあり、キーワード登録の件数が大きく増えたとのことだ。
また、以前からキーワード登録が多い「アプリ」についても、コロナ感染状況確認アプリ・体温が共有できるアプリなど、新型コロナウイルスに関するアプリのプレスリリースが増えたという。
【業界別動向:企業向けシステム・通信・機器】テレワーク、DXが新トレンドに
今年は、オフィスの出社率の引き下げから、テレワーク移行が喫緊の課題に。
「企業向けシステム・通信・機器」業界では、リモート化のニーズの高まりに伴い、テレワーク関連サービスのプレスリリースが非常に多くなり、他業界と比較しても、1年を通じてプレスリリース件数の伸び率は高水準を保っているとのことだ。
これまでもキーワードとして一部登録のあった「テレワーク」関連、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」関連のキーワードだが、今年は大きく増加。
特に、「テレワーク」関連のキーワードは、1月(10件)から4月には約30倍(313件)に増え、さらに、新型コロナウイルス感染拡大が長期化するに伴い、一時的なテレワークではなく、本格的な企業のデジタル活用が叫ばれることとなり、以前から提言されてきた「DX」がここへ来て社会全体の課題として注目度を増してきていることがわかる。
総合ランキングにもランクインしており(7月以降)、同業界に限らず企業活動全体に関わるトレンドになったといえるとのことだ。
【業界別動向:流通】マスクやECに関する発表が増加。8月のプレスリリースは前年比2倍超に
「流通」業界では、マスクの在庫情報や商品のオンライン販売化に関するプレスリリースが多く、いずれも4月以降大きく件数が増え続けたこともあり、8月には前年同月比で2倍を超えるプレスリリース件数となった。
これまでもキーワード登録が比較的多かった「EC」であるが、店頭販売のみだった商品がオンライン販売開始するなど、今年プレスリリース件数を伸ばしたという。
また、3月まではあまりキーワード登録されていなかった「マスク」は、入荷情報や在庫情報など4月以降急激にプレスリリースが増え、生産が安定してくると入荷などの発表数は落ち着き、付加価値を訴える製品情報へと移行しているとのことだ。
PR TIMESでは、各企業が以下の27カテゴリから選択してプレスリリースを配信している。
【業界一覧】
外食・中食/食品・飲料/ネットサービス・アプリ/企業向けシステム・通信・機器/流通/自然・環境/出版・アート・カルチャー/スポーツ・アウトドア/ゲーム・おもちゃ/暮らし/金融/エンタテイメント/パソコン/ビジネス・コンサルティング/デジタル製品・家電/交通・運輸・輸送/アパレル・ファッション/教育・資格・人材/美容・健康/インテリア・雑貨/自動車・バイク/ホテル・レジャー/広告・マーケティング/医療・医薬・福祉/住宅・建築・建設/素材・化学・エネルギー/その他
なお、年間アクセスランキングTOP5も発表。
2020年1~11月に配信された18万4050件のプレスリリースの中で最もアクセスを集めたのは、4月17日、コロナ禍にボリュームたっぷりのテイクアウト専用弁当を発表した、とんかつ専門店「かつや」のプレスリリースとなった。
また、2位と3位には、一時入手困難となるなど注目度が当時高まっていたマスクの販売告知のプレスリリースが並び、4位には臨時休校要請に世間がざわめいていた2月28日に小中高生対象に無料で弁当提供を決定した「ワタミの宅食」のプレスリリースがランクイン。
5位は、感染事例が報告された場所を地図でチェックできるNewsDigestアプリのプレスリリースとなり、上位5位全てが新型コロナウイルスに対応して企業がいち早く始めた新たな取組みやサービスに関する発表情報となった。
<調査概要>
対象期間:2020年1月1日~2020年11月30日
集計対象:PR TIMESプレスリリース18万4050件
発表項目:月別プレスリリース件数推移、年間&月別キーワードランキング、業界別分析、年間アクセスランキング、等
発表日:2020年12月21日
発表者:PR TIMES
<参照元>
18万件の企業発表から振り返る2020年企業動向! PR TIMES年間プレスリリース件数推移、前年比、注目ワード、業界別分析を公開