JR東日本スタートアップと、地方創生に特化した事業プロデュース会社であるさとゆめ、東日本旅客鉄道八王子支社は、過疎高齢化の課題に直面する地方の鉄道沿線の活性化に向けて協業し、沿線に点在する空き家をホテル客室に改修し、沿線全体をホテルに見立てる沿線活性化事業「沿線まるごとホテル」の本格展開を目指し、2021年2月17日から、東京・多摩地区のJR青梅線で実証実験を開始すると発表した。
また、それに先立ち、2020年12月18日から実証実験の一環である、「沿線まるごとホテル」宿泊プランの販売を開始するという。
沿線まるごとホテルとは、無人駅の駅舎等の JR 東日本の交通インフラをホテルのフロントやロビーとして活用、沿線集落の古民家(空き家)をホテル客室に改修、さらには地域住民とともに接客・運営を行うことで、「沿線まるごとホテル」の世界観を構築し、新たな滞在型観光、マイクロツーリズムの創出を図るもの。
さとゆめが、山梨県小菅村でプロデュースし、 「700人の村がひとつのホテルに」というコンセプトや村ぐるみの運営形態が各種メディア・SNSで大きな話題となっている分散型古民家ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」をひとつのベンチマークとしている。
「沿線まるごとホテル」の体験・宿泊プラン「無人駅からはじまる、源流への旅」では、以下の4つの体験コンテンツを用意・提供するという。
利用者が到着したときだけ、無人駅が「ホテルのフロント」になるという。
電車が到着する時間に合わせて、ホテルのスタッフがホームまで迎えに行き、無人駅の駅舎でウェルカムティーを楽しみながら、沿線の楽しみ方、ホテルでの過ごし方などを説明。今回のプランでは、JR青梅線「白丸駅」に迎えが来るとのことだ。
チェックイン後、送迎車で宿泊地に移動する道中、幾つかの集落をホッピングしながら、沿線まるごとホテルならではのマイクロツーリズムを楽しめるという。
今回のプランでは、駅周辺の「白丸集落」で多摩川の景観や旧道の史跡を楽しんだ後、車窓の緑が美しい「むかし道」を車で進みながら、「境集落」に立ち寄り、由緒のある湧き水、ワサビ田、奇観を楽しめる神社などを案内してくれる。
今回のプランでは、「沿線ガストロノミー」をテーマに、青梅線沿線の食のポテンシャルを最大限に引き出したコース料理を用意。
青梅線沿線は、実は食材の宝庫。多摩川の清流で育ったワサビや川魚の他に、東京都畜産試験場が品種改良したブランド豚「TOKYO X」や、江戸時代から愛されてきた「東京しゃも」など、知る人ぞ知る食材が目白押しとなっている。
沿線まるごとホテルでは、沿線の古民家を「ホテルの客室」にリノベーションしている。
今回のプランでは、青梅線の終着駅がある奥多摩町の隣村、山梨県小菅村の築150年の邸宅を改装した古民家ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」に宿泊できるという。
青梅線沿線と多摩川でつながる源流の村・小菅村の自然と素朴な風景や暮らしをゆっくり楽しめるとのことだ。