ワーケーションの価値は「仕事・休暇」から「出会いに」 ふろしきや調べ

行政や民間との協業でワーケーション事業を行うふろしきやは、地域考察メディアKAYAKURAと共同で2020年11月に開催した「千曲市ワーケーション体験会」において、参加者21名を対象に、働き方およびワーケーションに関するワークショップとアンケートを実施し、集計結果を2020年12月14日に発表した。

ワーケーションの価値が「仕事・休暇」から「出会い」に変化​ 

 ワークショップの中で「ワーケーションを考えるにあたり自分の働き方に加えたい要素」を聞いたところ、67%の人が「出会い」と回答。次いで「自由」「学び」「変化」といった意見が続いている。

ワーケーションは従来「仕事と休暇だけの概念」で捉えられることが一般的だったが、「出会い」を筆頭に多くの要素が期待されるコンテンツに変化していることが分かる。

 そして、体験会のアンケートで「ワーケーション中の他者との交流はメリットある時間でしたか」の質問では、回答者全員が最高点をつけている。

これはコロナ禍による人と人の接触を減らす働き方による反動に加えて、ワーケーション特有の「ONとOFF」「仕事とプライベート」「日常と非日常」が混ざり合っている環境が、心地よい自然体の交流の形を生んでいることが大きな要因と同社は推察している。

理想のワーケーションに“第2、第3のふるさとづくり”の声が目立つ結果に

また、体験会参加者同士で「こんなワーケーションをできたらいいな」といったアイデアソンを行った結果、「地元以外をワーケーション実施地に選び、ふるさとを増やしていく動きをしたい」という声が最も共感を集める結果となった。

さらにアンケートで「他の場所でもワーケーションをやってみたい」とほぼ全員が回答していることも加味すると、来訪先の人達と面と向かって交わる効果は非常に大きく、働き方の変化の先に「ON/OFFを交えてより多くの人達と出会い繋がる豊かさ」を感じられるワーケーションが望まれていることが伺える。

社会学的観点からも、ワーケーションによる関係人口化が広がる可能性が示唆

体験会では職場の人や家族、友達ではなく、これまで繋がりの無かった人々とワーケーションを通して弱いつながりが形成され、流動性が高まりニーズと価値の多様化が進む今日のビジネスシーンにおいて、普段の職場を出てワーケーション体験会に参加する層は新しい知を生み出すためのExploration(知の探索)のためにワーケーションを行う。

ワーケーションを推進する企業や地方自治体、関連事業者は仕事と休暇の二面だけでなく、目的によっては「交流機会」に重きをおいたワーケーションを PR することで新たな顧客層の開拓が可能となると同社は考えている。

第二に地方自治体は 関係人口の創出をワーケーション の目的の1つとするという分析されてきたが、調査から実際にワーケーションには関係人口創出につながる可能性があることが明らかになった。

また創出された関係人口はワーケーションを共通項として、他自治体とも関係人口化する可能性があることもわかった。

ワーケーション推進側のアクターはワーケーションを共通項とした横のつながり、ワーケーションネットワークと呼べるようなものを構築することでより相乗的な効果を生み出すことができるといえるとしている。

<参照元>
ふろしきや『ワーケーションの今と可能性
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