法務省は、PFI手法を活用して官民協働で運営する刑事施設「美祢社会復帰促進センター」において、美祢市、小学館集英社プロダクション、ヤフーと連携し、女子受刑者を対象としたネットストアの開設・運営に係る職業訓練と地産外商を推進する地方創生支援事業を実施すると発表した。

同事業は、企業の社会貢献事業の推進、地方公共団体の地方創生事業、官民連携による再犯防止を目指すものであり、女子受刑者に対して、社会復帰後に有用な教育や職業訓練の機会を付与し、再犯防止に資する取組となっているとのことだ。

なお、同事業は、本年度3期目を迎え、11月18日から開始している。

また、本年度の職業訓練については、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に鑑み、講義をオンラインにより実施しているとのことだ。

再犯防止・地方創生連携協力事業では、美祢社会復帰促進センターにおいて、職業訓練業務を担当している小学館集英社プロダクションが、ヤフーからコンテンツ提供を受け、職業訓練を実施。

同事業は平成30年度から男子受刑者5名を対象として実施し(昨年度は女子受刑者12名に対し実施)、実践的なカリキュラムを通じてeコマースを学ぶことで、専門知識およびネットストアを運用するスキルの習得を目指すとともに、消費者の動向を検討してストアの運営・改善を行い、より実践的なストア運営についても学習を行うという。

また、同職業訓練においては、ネットリテラシーやコミュニケーションについても習得することにより、よりスムーズな社会・職場適応および就労の継続を目指すとのことだ。

さらに、職業訓練のカリキュラムの中で、Yahoo!ショッピング用ストアサイト内に開設されている美祢市道の駅「おふく」のストアサイトを実際に改善し運営。これを通じて、積極的に美祢市の特産品等の地産外商を推進し、地方創生を支援しているという。

なお、本年度においては、女子受刑者12名に対して職業訓練を実施しているところ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況に鑑み、講義をオンラインにより実施している。

同事業の意義として、ヤフーおよび小学館集英社プロダクションは、再犯防止を目指し、地方創生を支援する民間企業として社会貢献事業の一環として同事業に取り組んでいるという。

国民が安全で安心して暮らせる「世界一安全な日本」の実現のために、犯罪をした人を再び受け入れることが自然にできる「誰一人取り残さない」社会を実現することが必要であり、同事業は、国、地方公共団体そして民間企業が緊密な連携協力を通じて行う再犯防止推進計画の実施に資する取組となっている。

また、官民連携による犯罪対策は、京都コングレス(第14回国連再犯防止刑事司法会議)の全体テーマである「2030アジェンダの達成に向けた再犯防止」に資する取組でもあり、法務省は、美祢市、小学館集英社プロダクション、ヤフーと連携して取り組むとのことだ。