三菱商事は、ミャンマー国鉄より、ヤンゴン環状線向け新型車両66両(以下、YCRプロジェクト)、およびヤンゴン・マンダレー幹線鉄道向け新型車両180両(以下、YMプロジェクト)の納入を受注し、ミャンマー国鉄との間で両プロジェクトの契約を締結したことを発表した。
両プロジェクトの契約総額は約690億円で、日本政府とミャンマー政府の間で締結された円借款契約により手当てされる。
供給する車両はスペイン最大手の鉄道車両メーカーであるConstrucciones y Auxiliar de Ferrocarriles, S.A.(以下、CAF)が日本製の機器類を採用して製造するもので、2023年から2025年にかけて順次納入を予定している。
YCRプロジェクトは、日本政府の円借款供与が決定している“ヤンゴン環状鉄道改修計画”(※1)のパッケージの一部。
(※1)ヤンゴン環状線の既存路線の老朽化した設備を改修・近代化する円借款事業
同社が納入する車両は、ミャンマー最大の商業都市ヤンゴン市中心部の約46kmの環状線を走り、計画では環状線一周の走行時間が現在約170分要しているところを約110分に短縮することを可能にするという。
YMプロジェクトは、”ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業(フェーズ2)”(※2)のパッケージの一部。
(※2)ヤンゴン・マンダレー間の既存路線の老朽化した設備を改修・近代化する円借款事業
同社が納入する車両は、ヤンゴンから首都ネピドーを通り、第二の商業都市マンダレーへ向かうまでの約620Kmを結ぶミャンマーの大規模幹線を走り、計画では現在約15時間要しているところを約8時間程度に大幅短縮することを可能にする。
同社は、世界各国で培ってきた鉄道事業のノウハウを活用することで、ミャンマーにおける交通インフラの整備に寄与し、人々の移動における利便性の向上を通じて、急速に経済発展を進めているミャンマーに対して貢献していくとしている。
また、日本政府が推進する質の高いインフラシステム輸出を後押しし、鉄道インフラ案件に積極的に取組むことで、地域の利便性の向上や、渋滞等の地域課題への対応と解決策の提供を目指すとのことだ。