富士フイルムは、同社独自の抗菌技術「Hydro Ag+」を活用した、殺菌成分配合ハンドジェルについて、新型コロナウイルス に対する効果確認のための評価試験において、99%以上のウイルスを不活化したという結果を得たことを公表した。

なお同評価は、帯広畜産大学との共同研究の一環で実施したとのことだ。

試験に使用したハンドジェルは、水溶性ポリマーによる高い保湿性を有する殺菌成分を配合したハンドジェル。主に医療機関や介護現場向けに提供している製品。

試験では、同ハンドジェルと純水にそれぞれSARS-CoV-2液を混合。室温で20秒および60秒反応させた後、ハンドジェルと純水のSARS-CoV-2混合液のウイルス力価を比較し、ウイルス不活化を評価した。

結果、ハンドジェルは、ウイルス混合20秒および60秒後に90%以上のウイルス不活化が認められたという。

次に、同ハンドジェルを塗布した試験フィルムと、ハンドジェルから殺菌成分と銀系抗菌剤を除いた処方液を塗布した試験フィルムを、室温で12時間静置。

その後、それぞれの試験フィルムに、SARS-CoV-2液を滴下し、その上に無加工のフィルムを被せて密着させ、室温で3時間反応させた。

その後、SARS-CoV-2液を回収し、ウイルス力価を算出。ハンドジェルに滴下したSARS-CoV-2液と、ハンドジェルから殺菌成分と銀系抗菌剤を除いた処方液に滴下したSARS-CoV-2液のウイルス力価を比較し、ハンドジェルを塗布した試験フィルムのウイルス不活化を評価した。

結果、ハンドジェル塗布12時間後の試験フィルムは、98%以上のウイルス不活化が認められたとしている。

この結果から、ハンドジェルを使うことにより、1分後には99%以上のウイルスを不活化し、その後も、手についたウイルスを不活化しつづけることが期待されると述べている。