NTTデータ、全世界デジタル3D地図を提供開始 全天候で撮影可能な衛星を活用

NTT DATA

NTTデータは、フィンランドの小型レーダー衛星会社ICEYE社との業務提携を行い、NTTデータの衛星画像ソリューションに新たに「全天候型地図情報提供サービス」を追加して、12月4日より販売を開始したと発表した。

NTTデータは2014年から、光学衛星注2画像を利用した世界最高精度の全世界デジタル3D地図「AW3D®全世界デジタル3D地図(以下、AW3D)」を世界130か国以上へ提供してきたという。

一方で、光学衛星には雲や煙がある場合に地上の画像撮影ができず、更新頻度に課題があったとのことだ。

今回の新しいサービスでは、ICEYE社が運用する複数機の小型レーダー衛星の撮影データと、NTTデータが持つ高精度の画像解析技術を用いて、全天候下で全世界を対象として地図情報を抽出して提供。

天候に依存せず、地形や土地利用等の地図情報が取得できるため、定期的なインフラ企業の設備管理、山岳域における自然災害監視や土地利用の把握、災害発生時の状況把握等での活用が期待されるとのことだ。

なお、「全天候型地図情報提供サービス」は、小型レーダー衛星の運用で世界をけん引するフィンランドICEYE社とNTTデータが、衛星画像の提供に関する契約を締結したことにより実現。

同契約は、日本国内において、ICEYE社の運用する衛星画像を提供できる権利。また、全世界に向けた衛星画像の付加価値サービスで連携を行っていくとしている。

レーダー衛星画像(左:SPOTLIGHT HIGH 0.5m解像度 雲仙普賢岳砂防ダム、右:STRIPMAP 3m解像度 三宅島)

全天候型地図情報提供サービスの特長は、これまで光学衛星を活用したことにより実現された「高解像度」かつ「高位置精度」の3D地図に加え、レーダー衛星を活用することによって「高頻度」かつ「高網羅性」を実現し、撮影開始から最短半日で画像の提供が可能。

雲が多く、光学衛星では撮影が難しい、山岳エリアや赤道付近のエリアでも、最新の状況が入手できるとのことだ。

NTTデータが20年来培ってきた衛星画像加工技術を利用し、レーダー衛星画像による地物抽出、3D地図化、および差分解析等の情報提供を行い、今後は、AW3Dと組み合わせることにより、被雲がない完全な3D地図の提供を行う予定であるとしている。

また、小型衛星でありながら世界最高の50cm解像度で提供可能であり、車・船・鉄塔・建物等の詳細な情報の取得が可能。

1日複数回日本上空を撮影可能であるとし、高頻度で情報取得することができるため、定常的なメンテナンス業務等への活用が期待されるという。

ICEYEを活用した3D地図(雲仙普賢岳 平成新山)

なお、現在3機運用中であるが、次年度には10機に増やす計画を予定しており、より高頻度での撮影が可能となるとのことだ。

今後NTTデータでは、画像販売のみならずレーダー衛星画像に関する付加価値加工を行って衛星画像ソリューションビジネスを拡大し、2025年度末までに売り上げを100億円に拡大することを目指すとしている。

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