KDDI・東大、ポスト5G時代の通信インフラの省電力化やAI主導の運用技術を研究 NEDOに採択

KDDI 東大

KDDIと東京大学は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、 NEDO)が行った「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先導研究」に関わる公募に対して、「超知性コンピューティングアーキテクチャの研究開発」を提案し、2020年10月27日に採択されたと発表した。

同研究開発は、通信トラフィックが5Gの10~100倍規模となるポスト5G後半の膨大なトラフィック処理に対応するため、通信インフラの高性能化と省電力化を両立する技術とAI主導のネットワーク運用技術の研究を推進するとのことだ。

なお、KDDI総合研究所は、KDDIの協力先として同研究開発に参画するとしている。

ポスト5G後半の課題

ポスト5G後半以降では、現在の10〜100倍規模の通信トラフィックとさらなるサービスの多様化が見込まれている。これにより発生する2つの課題に取り組むとのことだ。

課題1:電力破綻

通信インフラの消費電力が増加し、特に分散局などの電力供給が限定的な場所で仮想通信機器の高性能化に限界が出てくるため、仮想通信機器の高性能化と省電力化の両立が必要

課題2:適切な学習データ抽出

サービス多様化におけるAI主導の高度なネットワーク運用では、学習空間の肥大化でデータ処理が追いつかないことにより適切な学習データが不足することを回避するため、バーチャルな空間でデータを増やし適切な学習データを抽出し学習する手法が必要

また、同研究開発の技術概要は以下。

  1. 高性能・省電力コンピューティングアーキテクチャの研究開発(担当:KDDI)
    課題1に対し、CPUに加えて、FPGAやGPUなどの汎用的なハードウェアを仮想通信機器の演算内容に合わせて適切に割り当て、高性能かつ省電力な通信機器を実現するためのハードウェア構成技術を確立する。
  2. 超知性ネットワークの研究開発(担当:東京大学)
    課題2に対し、実ネットワークでは取得が困難なデータを疑似的に実データから仮想データ生成する手法と、生成データとシミュレーターを使用して短期間でAIがネットワークの運用に必要な学習を行う技術を確立する。

KDDI、東京大学、KDDI総合研究所は、ポスト5G時代の多様化するサービスの実現に向け、今後もさまざまな課題の解決に向けた研究に取り組んでいくとしている。

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