米Salesforceは、Slackを買収すると発表した。
買収額は277億ドル、日本円で約2兆8,900億円とのことだ。
同社は、SlackとSalesforce Customer 360を組み合わせることは、顧客と業界にとって変革的なことになるとし、この統合により、新しい働き方のためのOSが誕生し、企業はオールデジタルの世界で成長し、成功することができるとしている。
今年の出来事は、企業や政府が、オフィスにいる人、自宅にいる人、その間にいる人のどこでも仕事ができるオールデジタルの世界への動きを大きく加速させたという。
顧客のために、あらゆる接点でつながった経験を提供し、従業員がどこでもシームレスに仕事ができるようにする必要があるとし、Salesforce とSlackを組み合わせることで企業はビジネスの信頼できる唯一の情報源と、従業員、顧客、パートナーを相互に接続し、毎日使用するアプリをすべて既存のワークフロー内で接続するための統合プラットフォームを提供することができるとのことだ。
SlackはすべてのSalesforce Cloudに統合され、Salesforce Customer 360 の新しいインターフェースとして、Salesforce全体の顧客情報や、他のすべてのビジネスアプリやシステムからの情報に対する人々のコミュニケーション、コラボレーション、アクションの方法を変革し、生産性を高め、よりスマートで迅速な意思決定を行い、接続された顧客体験を提供するとのことだ。
なお、Slackは、急成長している新興企業から、スターバックス、ターゲット、TDアメリトレードなどのフォーチュン500企業に至るまで、150か国以上の主要な学術機関、非営利団体、政府に加えて、世界中のあらゆる業界の主要な組織にサービスを提供している。
今回の統合により、Slackは、Salesforceの顧客だけでなく、デジタルトランスフォーメーションを実施しているすべての企業の企業での存在感を拡大することができるようになるとのことだ。
なお、取引終了後、SlackはSalesforceの事業部門となり、CEOのStewart Butterfield氏が引き続き率いるとしている。
また、現在、Slackのオープンプラットフォームは、人々がコラボレーション、コミュニケーション、仕事を片づけるために利用する2,400以上のアプリとシームレスに統合されている。
最大のエンタープライズ・アプリ・エコシステムを持つSalesforceプラットフォームは、全く新しい方法で顧客と接続するためのアプリを構築し配信する最も簡単な方法であるとしている。
なお、同取引については、SalesforceとSlackのそれぞれの取締役会は取引を承認。Slackの取締役会は、Slackの株主が取引を承認し、合併契約を採用することを推奨しているとのことだ。
この取引は、Slackの株主による承認、必要な規制当局の承認の受領、その他の慣習的な完了条件を条件として、Salesforceの2022会計年度の第2四半期に完了する予定であるという。
また、Salesforceは、Slack普通株式の特定の株主と議決権行使契約を締結。各株主は、同取引に関連して開催されるSlackの臨時株主総会において、同取引に賛成するSlack の全株式を議決権行使することに同意。
同意の対象となるSlack株式は、現在のSlack普通株式の発行済議決権の約55%を占めているとのことだ。
Salesforceは、同社の貸借対照表にある新しい負債と現金の組み合わせで、取引対価の現金部分に資金を提供する予定とし、Citigroup Global Markets Inc. 、Bank of America, N.A. および JPMorgan Chase Bank, N.A. から、慣習的な条件を条件に、100億ドルの無担保364日ブリッジローンのためのコミットメントを取得している。