川崎市、昭和電工、日本マクドナルドは、環境と経済を両立させた持続可能な循環型・脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、川崎市内のマクドナルド8店舗にて排出された使用済みプラスチックを、川崎臨海部に立地する昭和電工のリサイクル施設で低炭素水素へ再生すると発表した。
さらに、マクドナルド川崎南加瀬店のマックデリバリーサービスで使用しているEVバイクのエネルギーにリサイクルする実証事業を12月1日から開始することを発表。
現在、適切にリサイクルされていない使用済みプラスチックは、焼却によるCO2発生や、海洋流出による生物への悪影響などを引き起こすため、世界的に問題となっている。
国内においては、使用済みプラスチックの一部は製品等にリサイクルされているものの、大半は、食品残さの付着やリサイクルに適さないプラスチックの混入といった点から、リサイクルされず燃やされるか埋め立てられているとのことだ。
同実証事業は、これまでリサイクルが難しいと考えられていた使用済みプラスチックを、ごみではなく低炭素なエネルギーとしてリサイクルするための実験。
プラスチックの3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進している川崎市、川崎臨海部に立地する使用済みプラスチックのケミカルリサイクル事業者である昭和電工、使用済みプラスチックの削減・有効利用に取り組む日本マクドナルドの3者で連携し、川崎市域等で資源を循環させることにより地域社会の持続的な発展に資することを目的としているとのことだ。
具体的には、実証に参加する川崎市内のマクドナルド8店舗から排出されたストローやリッド(カップのふた)などの使用済みプラスチックが、昭和電工のケミカルリサイクルによりプラスチックから水素にリサイクルされ、さらにマクドナルド川崎南加瀬店のマックデリバリーサービスで使用しているEVバイクのエネルギーとして使用される。
これにより、ケミカルリサイクルによるCO₂の削減効果の検証、技術的・運営上の課題、回収・運搬の効率化の検討など、実証後の展開に向けた総合的な課題抽出等を行っていくとのことだ。
自治体と企業、川崎市民とともに、今までごみとして処理されていた使用済みプラスチックをEVバイクの低炭素なエネルギーとなる取り組みを行うことによって、環境と経済を両立させた持続可能な循環型・脱炭素社会の実現を目指していくとしている。