東急は、東海国立大学機構名古屋大学、ソリトンシステムズなどと協働し、12月17日から25日まで、伊豆高原駅周辺(静岡県伊東市)にて遠隔型自動運転モビリティの実証実験を実施すると発表した。

東伊豆の象徴的な観光地である伊豆高原駅周辺は、多くの観光施設があるものの、急な坂が多く、観光客の利便性に課題を抱えている。

同実験では、スマートフォンMaaSサービス「Izuko」や伊豆高原駅に設置されているテレビから、自動運転システムを搭載した小型バスタイプの電気自動車「Izukoいずきゅん号」を、需要に応じて呼び出すオンデマンド方式で運行し、安全性など、サービスの実用化に向けた課題の検証を行うという。

名古屋大学は自動運転車両の公道での走行性、停止性などの走行に関連する事象を検証する。

同社は自動運転車両が走行中に道路条件により停止した場合など、遠隔コントロールセンターからの遠隔監視・操縦のオペレーションを中心に検証する。

オペレーションイメージ

同実験では、将来的に一人のオペレーターが複数台の自動運転車両を運行管理する効率的な移動サービスの構築を目指し、伊豆高原駅付近に複数台の自動運転車両を監視・操縦可能な遠隔コントロールセンターを設置し、運行する車両の遠隔監視・操縦と、静岡県主催の自動運転実証実験プロジェクトにおいて、下田市で運行する自動運転車両の遠隔監視も行う。

従来、4G(LTE)の通信インフラを使用したリアルタイムの監視・操縦は、通信遅延などの問題により難しいと考えられていたが、低遅延の伝送技術の開発により実現。

なお、1か所の遠隔コントロールセンターから、複数都市の車両を同時に遠隔監視することは日本初となる。

同実験では、遠隔コントロールセンターのオペレーション構築および将来の無人化に向けた技術課題と安全性の検証を行うことで、伊豆半島をはじめとした地域内の移動における課題解決の可能性を探り、今後のサービス開発に向けた取り組みを推進するとのことだ。