キリンホールディングス(以下、キリン)と、キリンビール、キリンビバレッジ、NTTデータは、キリンビール滋賀工場、キリンビバレッジ滋賀工場において、1秒あたり約5万点におよぶ商品の製造に関わる生産データを蓄積・分析するIoT基盤を開発し、11月より試験運用を開始したと発表した。
同IoT基盤では、NTTデータが開発した、企業間・拠点間の情報活用基盤である「iQuattro®」を活用している。
これまでは、製造状況をそれぞれの生産設備ごとに確認していたが、同IoT基盤の導入によって、製造設備やセンサーなどのデータを大量に蓄積し、iQuattroとその他アプリケーションを連携させることで統合的な可視化が可能となる。
これによって、製造現場の様子を工場内外からリアルタイムで確認できるようになり、業務のリモート化・効率化が可能になるほか、各商品にあった製造計画の立案がより効率的に行えるようになる。
今回のIoT基盤の試験運用を通して、工場における製造体制の効率化・自動化を推進していくことで創出された時間で、さらなる品質向上に取り組み、高い品質管理レベルの製造体制を維持するという。
試験運用の後、IoT基盤のさらなる活用に向けて、各工場における製造体制の自動化推進に向けて必要な判断の数値化、作業時間の短縮、品質向上に向けたデータ活用などを進め、キリンビール、キリンビバレッジ全工場への本格展開を目指すとしている。
同時に基幹システムやAIによる計画業務などのシステム連携や機能拡充を進め、将来的には自社工場のみだけではなく、企業間で連携した工場業務の自動化・高度化を推進し、効率の良い、人に優しい工場の実現を目指すとのことだ。