リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、飲食店や生産者を支援する目的での「応援消費」の意識・実態に関するアンケートを実施し、その結果を発表した。

飲食店への「応援消費」経験最多は50代女性で34.5%

新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けた飲食店を支援したい気持ちから、飲食を行ったことがあるか

コロナ禍で影響を受けている飲食店が多い中、新型コロナウイルスの感染拡大後に飲食店を支援する気持ちで飲食を行った経験があるかどうかを聞いた。

全体では30.7%が「支援の気持ちから飲食を行ったことがある」と回答し、「支援の気持ちから飲食を行ったことはないが、今後行いたい」と回答した人も43.3%いた。

「応援消費」の経験値が高かった年代は、女性では50代が34.5%で最も高く、男性では60代が33.0%で最も高かった。

「今後行いたい」では、女性では60代が50.0%で最も高く、男性では50代が40.7%で最も高かった。

「行ったことがある」と「今後行いたい」の合計値で見ると、男性より女性が「応援消費」に活発・前向きであることが分かった。

また、各性別内で比較すると若年層よりも中高年層の方が活発・前向きな傾向にある。

生産者への「応援消費」経験者は23.3%今後行いたい人が過半数

■新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けた生産者を支援したい気持ちから、購入したことがあるか

新型コロナウイルスの感染拡大後に生産者を支援する気持ちで産品を購入した経験があるかどうかを聞いた。

全体では23.3%が「支援の気持ちから購入したことがある」と回答し、「支援の気持ちから購入したことはないが、今後行いたい」と回答した人は51.1%に上った。

「応援消費」の経験値が高かった年代は、女性では50代が30.0%で最も高く、男性では30代が23.6%で最も高かった。

「今後行いたい」では、女性では20代が59.5%で最も高く、男性では50代が49.5%で最も高かった。

「購入したことがある」と「今後行いたい」の合計値で見ると、飲食店対象の場合と同様に、男性より女性が「応援消費」に活発・前向きであることが分かった。

また、各性別内で比較すると若年層よりも中高年層の方が活発・前向き傾向にある。

支援行動、飲食店へは「外食」で。生産者へは「直販サイトで食材・加工品の購入」

新型コロナウイルス感染症の拡大の後に、飲食店や生産者を支援したい気持ちから行った行動
(支援の気持ちから購入・飲食を行ったことがある人/複数回答)

新型コロナウイルスの感染拡大後に飲食店・生産者を支援したい気持ちから行った行動は、対飲食店では、1位が「外食」(63.1%)、2位が「テイクアウト」(54.7%)、3位が「デリバリー」(19.4%)。

20代男性で「外食」による支援が70.7%と多い他、20・30代男性で「デリバリー」「クラウドファンディング」といった回答も相対的に多かった。

一方、対生産者では、支援行動の1位が「直販サイトでの食材・加工品の購入」(35.0%)、2位が「生産地を訪れて購入」(15.5%)、3位が「直販以外のサイトでの購入」(8.5%)であった。

40・50代女性では「直販サイトでの食材・加工品の購入」が多かった。

「応援消費」の品目、対飲食店は「和食」、対生産者は「野菜類」の購入が最多

新型コロナウイルス感染症の拡大の後に、飲食店や生産者を支援したい気持ちから、購入・飲食したもの(支援の気持ちから購入・飲食を行ったことがある人/複数回答)

実際に消費・飲食したメニュー、食材・加工品の品目について聞いた。飲食店からの購入・飲食では、1位が「和食」(52.3%)、2位が「洋食(パスタ、ピザを除く)」(33.9%)、3位が「中華料理(専門店のラーメンを除く)」(32.0%)であった。

50・60代男性で「和食」が多く、20・30代男性で「中華料理(専門店のラーメンを除く)」が目立った。

また、生産者からの購入・飲食では、農産物では「野菜類」(38.9%)、畜産物では「牛肉・豚肉・鶏肉」(26.3%)、水産物では「鮮魚類」(20.5%)が、各ジャンル内で最多であった。

50・60代女性では「野菜類」等、幅広い品目で他の性年代よりも多い割合となっており、生産者への「応援消費」の中心的な性年代であることが伺える。

5.今後も飲食店へは「外食」で、生産者へは「直販サイトで食材・加工品の購入」が中心

飲食店や生産者を支援したい気持ちから、今後行ってみたい行動
(支援の気持ちから購入・飲食を行ったことはないが、今後行いたい人/複数回答)

まだ「応援消費」を行ったことのない人が今後、飲食店・生産者に対して行ってみたい行動を聞いた。

対飲食店では、1位が「外食」(64.0%)、2位が「テイクアウト」(50.2%)、3位が「デリバリー」(21.6%)で、3位までの選択肢がすでに行った人の行動と同じ順位であった。

20~40代女性で「テイクアウト」を選ぶ人が多く、20代男性で「ふるさと納税でミールキット購入」や「クラウドファンディング」を選ぶ人が他の性年代よりも多かった。

対生産者では、1位が「直販サイトでの食材・加工品の購入」(53.6%)、2位が「生産地を訪れて購入」(24.3%)、3位が「自治体発行の地域限定の商品券・チケット等の購入」(18.3%)と、1・2位の選択肢はすでに行った人の行動と同じ順位であったが、3位の選択肢が実際に行動をしている人とは異なる結果であった。

今後「応援消費」したい品目でも、対飲食店では「和食」、対生産者では「野菜類」が人気

飲食店や生産者を支援したい気持ちから、今後購入・飲食してみたいもの
(支援の気持ちから購入・飲食を行ったことはないが、今後行いたい人/複数回答)

まだ「応援消費」を行ったことのない人が、今後飲食店・生産者を支援する行動で消費・飲食したい品目について聞いた。

飲食店からの購入・飲食では、1位が「和食」(62.2%)、2位が「洋食(パスタ・ピザを除く)」(42.7%)、3位が「中華料理(専門店のラーメンを除く)」(42.4%)であった。

20~50代女性で「デザート、スイーツ」を選ぶ人が多かった。

また、生産者からの購入・飲食では、農産物では「野菜類」(61.9%)、畜産物では「牛肉・豚肉・鶏肉」(46.1%)、水産物では「鮮魚類」(37.0%)が、各ジャンル内で最多であった。

50・60代女性では「野菜類」購入希望が、30代女性では「畜産物」の購入希望が目立ち、生産者への「応援消費」の中心的な性年代になりうることが分かる。

「応援消費」のきっかけ、「テレビ等マスメディアから情報を得た」が48.7%で最多

飲食店や生産者を支援したい気持ちから購入・飲食を行った「きっかけの出来事」
(支援の気持ちから購入・飲食を行ったことがある人/複数回答)

「応援消費」を行った人にきっかけとなった出来事について聞いた。

1位は圧倒的多数で「テレビ番組やテレビCM等マスメディアから情報を得た」(48.7%)、2位は「インターネット広告から情報を得た」(19.3%)、3位は「もともと親交があった、よく通っていた生産者や飲食店から直接情報を得た」(16.1%)であった。

50・60代女性で「テレビ番組やテレビCM等マスメディアから情報を得た」が特に多い。

一方、20・30代女性では「SNSのリツイート等で間接的に情報を得た」人が他の性年代より多く、メディアへの接触状況の違いからか、世代によってきっかけとなったメディアも異なる結果となった。

「応援消費」の動機、「消費者にもメリットのある価格」が42.0%で最多

飲食店や生産者を支援したい気持ちから購入・飲食を行った「利用の動機」 
(支援の気持ちから購入・飲食を行ったことがある人/複数回答)

「応援消費」を行った人に利用の動機を聞いた。

1位が「サービス価格や特典等、消費者側にもメリットのある価格だった」(42.0%)、2位が「せっかく購入・飲食するなら、飲食店や生産者の助けになりたいと思った」(38.4%)、3位が「支援したい飲食店や生産者の経営を助けたいと思った」(32.7%)であった。

50代女性で「サービス価格や特典等、消費者側にもメリットのある価格だった」が特に多く、40~60代女性では「せっかく購入・飲食するなら、飲食店や生産者の助けになりたいと思った」と回答した人が多かった。

男性よりも女性の方が多くの項目でスコアが高く、「応援消費」の実績・今後の意向同様に、支援に前向きな様子が分かる。

【調査概要】
調査方法:インターネットによる調査 /調査時期:2020年10月1日(木)~2020年10月9日(金)/調査対象:首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)/有効回答数:9,994件

<参照元>
リクルートライフスタイル『「応援消費」の意識・実態に関するアンケート