九州大学持続的共進化地域創成拠点(以下、九州大学COI)とドコモは、買い物の際に進呈するdポイントの進呈率を、店舗内の混雑状況に応じて変動させ、店舗内の「密」を防ぐ共同研究を2020年11月19日から開始すると発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大により、密集や混雑を回避するなどの「新しい生活様式」の実践が求められる中、飲食・小売業では売り上げが落ち込むなど、コロナの感染拡大防止と社会経済活動の両立が課題となっている。
今回の共同研究において、店舗の混雑回避対策と売り上げアップの両立を目指すとしている。
同共同研究は、九州大学伊都キャンパスの学生約1,500人にモニターとして参加してもらい、伊都キャンパス内の飲食店や小売店店舗で実施。
店舗に来店、または来店が予測される学生モニターへ、テイクアウトや混雑時間帯を避けた来店でボーナスポイントを進呈するメッセージを送り、3密回避の行動を促進。
実際にテイクアウトを利用した人や、混雑時間外へ来店時間を変更した人に、dポイントを進呈するとしている。なお、同共同研究では、混雑状況に応じてdポイント進呈率を即座に変える「ダイナミックプライシング」を導入するとのことだ。
店舗の混雑度は、店舗に設置したセンサーからデータを収集し混雑を可視化する九州大学の技術と、店舗周辺の混雑状況が把握できるドコモの「モバイル空間統計」を掛け合わせて予測。
この混雑予測に合わせて、最適なポイント進呈率を算出するとしている。
今回の共同研究では、九州大学の学生参加型産学連携プラットフォームである「iQLab」の学生が、実証実験で使用するシステムやアプリの開発・運用からモニターの募集、実験の運営やサポート業務全般を受託。学生が幅広く参加し、共同研究の実施を支援するとのことだ。
また、共同研究で得られた成果を踏まえて、混雑予測とダイナミックプライシングのアルゴリズムの高度化を図り、2021年度中にドコモから商用サービスとして提供予定としている。
共同研究の概要は以下。
研究概要:以下のアルゴリズムの研究・開発に向けて、九州大学伊都キャンパス内で大規模実証実験を実施。
- 空間内の混雑状況を計測する複合混雑度センサーによる情報と、ドコモの「モバイル空間統計」のデータの組み合わせによる、店舗の混雑状況予測アルゴリズムの研究・開発
- 店舗の混雑予測状況、進呈ポイント数、モニターの3密回避行動の関連性を踏まえた、進呈ポイントの動的アルゴリズムの研究・開発
実証実験概要
実証場所:九州大学伊都キャンパス内の飲食店や小売店
実証モニター:九州大学の学生1,500人(予定)
実験開始時期:2020年11月19日
実施内容
- 混雑センサーおよび「モバイル空間統計」のデータを用い、店舗および店舗周辺の混雑状況を計測
- 混雑予測アルゴリズムに基づき、モニターの来店時に店舗が混雑している、もしくは今後混雑が予測される場合に3密回避行動を促すメッセージをアプリで配信
- 実際に3密回避に協力することで、混雑状況を踏まえて算定されたボーナスポイントを進呈
なお、各者の役割は以下。