富士フイルムは、同社独自の抗菌技術により除菌効果が長く持続する環境清拭材「Hydro Ag+(ハイドロ エージープラス)アルコールクロス/スプレー(80%)」について、新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)に対する効果確認のための評価試験において、99%以上のウイルスを不活化したことを発表した。
同評価は、帯広畜産大学との共同研究の一環で実施。「Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80%)」を用いた環境清拭を継続的に実施することで、SARS-CoV-2の感染抑制効果が期待できるという。
「Hydro Ag+ アルコールクロス/スプレー(80%)」は、独自の抗菌技術「Hydro Ag+」により銀系抗菌剤と室温で硬化する超親水ポリマーがアルコール溶液中に安定的に分散されているという。
同製品を使用すると、対象物がアルコール除菌されるとともに、対象物の表面に銀系抗菌剤を含む超親水コーティング層が形成され、アルコールが蒸発した後も除菌効果が持続するとのことだ。
評価試験では、「Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80%)」の液剤を、それぞれ20回・40回・60回塗布した3種類の試験フィルムを用意し、塗布20日経過後に以下の評価を実施。
試験フィルムの液剤を塗布した面にSARS-CoV-2液を滴下し、その上に無加工のフィルムを被せて密着させ、室温で24時間静置。
その後、SARS-CoV-2液を回収し、感染力を持つウイルス量の指標であるウイルス力価(りきか)を算出。
試験フィルムに滴下したSARS-CoV-2液と、試験フィルムに滴下せずに室温で24時間静置したSARS-CoV-2液のウイルス力価を比較し、「Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80%)」の液剤を塗布した試験フィルムのウイルス不活化を評価したという。
試験結果によると、液剤を40回および60回塗布した試験フィルムにおいて塗布20日後に99%以上のウイルス不活化が認められたという。
また、液剤を20回塗布した試験フィルムでも、塗布20日後に86%以上のウイルス不活化が認められたとのことだ。
この結果から、たとえば、Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80%)」で一日2回の清拭を継続すれば、対象物の表面に銀系抗菌剤を含む超親水コーティング層が日々塗り重ねられ、10日後には86%以上のウイルス不活化効果が出始め、20日後には99%以上のウイルスを不活化することが期待できるという。
富士フイルムは「Hydro Ag⁺ アルコールクロス/スプレー(80%)」を用いた環境清拭による新型コロナウイルス感染の低減活動を積極的に提案し、人々の生活の質の維持・向上に貢献していくとのことだ。