電通は、電通テック、電通ライブ、電通パブリックリレーションズ、電通デジタル、電通国際情報サービス(以下、ISID)の国内電通グループ各社と、Material ConneXion Tokyo(マテリアルコネクション東京)の7社合同で、サーキュラーエコノミーの取り組みを支援するプログラム「SDGsビジネスソリューション」の提供を11月16日から開始すると発表した。

現在、2030年のSDGs達成に向け、企業におけるサステナブル経営の実装が急務になっている。

特に、これからの企業活動においては、商品をつくる段階から回収・リサイクルを前提として廃棄ゼロを目指す経済の新しい仕組み「サーキュラーエコノミー」(循環型経済)に則った活動が求められているとのことだ。

サーキュラーエコノミー(循環型経済)

一方、SDGsに取り組む企業からは「廃棄ゼロを目指すと収益につながらない」「サステナブル視点での商品開発が進まない」「自社のみでは回収まで行うことができない」「社内外での理解が進まない」といった、さまざまな課題が表出しているという。

国内電通グループなど7社は、これらの企業課題に応えるために、事業戦略策定から素材選定、資源調達、デザイン、製造、サービス開発、回収リサイクルまでバリューチェーン全体のコンサルティングと、各プロセスにおける戦略的なコミュニケーションのサポートを行うソリューションを開発。

今回、SDGsのビジネス化・情報発信を行うSDGsコンサルタント約30人を擁する、グループ横断の専門組織「電通Team SDGs」を中心に、国内電通グループ各社と、世界最大級のマテリアルライブラリーを運営する「Material ConneXion Tokyo」が得意分野で協同。

Material ConneXion Tokyo マテリアルライブラリー

これにより、企業が自社のみでは難しかった回収やリサイクル企業などとの連携を推進する「つなぐ力」、世界最新のサステナブル素材の調達から製品開発まで行う「つくる力」、その活動を社内外へと効果的に広げていく「伝える力」によるサポートを実現。

収益につながるSDGsを目指した、サーキュラーエコノミーの構築支援を本格的に行うとしている。

「SDGsビジネスソリューション」の取り組み領域と各社の役割は以下となる。

「SDGsビジネスソリューション」のメニューと特長
企業のコンディションに合わせて、全体ソリューション・部分ソリューションの提供が可能。

1.事業戦略に基づくサステナブルロードマップの作成
SDGsの視点から経営戦略や事業、商品戦略を見直し、中長期的なロードマップを作成。世界の情勢や規制、消費者意識を捉え、柔軟に対応する持続可能なソリューションの道筋を描く。

2.商品の素材の選定やデザイン、製造開発
商品を素材から見直し、サステナブルの視点から最適な素材を選定し、企画・デザインする。商品の開発・製造も可能。

3.商品提供の仕組み構築/販売後の回収やリサイクル、アップサイクルの仕組み構築
サーキュラーエコノミーに求められる商品提供サービスの開発、販売後の容器回収やサイクルシステムなど、バリューチェーン全体にわたる仕組みを構築。

4.サーキュラーエコノミーを実現するDXの導入
サーキュラーエコノミーを継続的に、モチベーションを持って消費者も巻き込んで動かしていくため、インセンティブ設計も含めた良質な顧客体験を生むDXを導入。

5.理解と共感を目的とした戦略的な情報発信
SDGsへの取り組みに対する社内外の賛同者を増やし、持続的かつ大きな動きに結び付けていくため、それぞれのプロセスで戦略的に情報を発信。

また、同件と併せて、「SDGsパッケージデザインガイド」を制作し、ダウンロードで活用できるよう展開。

国内電通グループ各社は、「SDGsビジネスソリューション」「SDGsパッケージデザインガイド」を第1弾に、今後もSDGsにおける企業課題を解決し、ひいては社会全体のSDGsの推進に向け、グループ横断で貢献していくとしている。