富士通ら、新型コロナ治療薬の開発を目的とした合弁会社「ペプチエイド」設立

ペプチドリームと富士通、みずほフィナンシャルグループの連結子会社であるみずほキャピタル、竹中工務店、キシダ化学の5社は、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発を目的とした合弁会社、ペプチエイド(英文名:PeptiAID Inc. 以下、ペプチエイド)を設立することで合意したと発表した。

新型コロナウイルス感染症の急速な拡大は世界規模での大きな課題となっており、高い有効性をもつ治療薬への社会的ニーズが高まっている。

新型コロナウイルス感染症の拡大抑制に向けて早期のワクチン開発が求められる一方、疾患を適切にコントロールしていく上で治療薬の存在は不可欠と言えるという。

さらに中長期的な観点からは、現在の新型コロナウイルス感染症のみならず、将来的に発生し得る新たな変異型コロナウイルスに備えた治療薬の開発も重要になるとのことだ。

ペプチドリームは、独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を用いて、コロナウイルスがヒト細胞に侵入する際に必須となるスパイクタンパク質における複数の領域を創薬ターゲットとした、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発候補化合物の同定を多方面から行ってきた。

また同時に、複数の企業および研究機関との間で迅速な開発に向けた協業のあり方について協議を進めてきたとのことだ。

新型コロナウイルス感染症の克服に対して何らか貢献したいという課題認識は、必ずしも製薬業界に留まらず、むしろ業界を超えた共通の社会的ミッションとしてその重要性への認識が深まっている。

こうした中、新型コロナウイルス感染症に対して有効な治療薬を世界中の医療現場にいち早く届けるという社会的意義に賛同する企業各社との間で、治療薬の開発を最短で進めていくことを目的とする新会社の設立に至ったとのことだ。

新会社では、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の候補化合物についてペプチドリームから譲渡を受け、前臨床試験からヒトでの有用性確認(Proof of Concept)に必要となる前期の臨床試験までを最短で実施することを目指すという。

ペプチドリームが有するペプチド関連技術・ノウハウを最大限活用することに加え、富士通が有する組合せ最適化問題を高速に解くアーキテクチャー「デジタルアニーラ」やHPC(高性能コンピューティング)等を活用することで研究開発スピードの加速を図るとしている。

また、必要な試験を同時並行で進めることにより開発期間の大幅短縮を狙う。

臨床試験の後期以降は、各地域で高い開発力を有する製薬企業との共同開発等を通じて、開発タイムラインの最適化および早期実用化を目指すとのことだ。

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