Buddycom×ドコモ、北海道原子力防災訓練をDX化 住民の安心・安全を確保

サイエンスアーツは、クラウドサービス未来型チームコミュニケーション「Buddycom(バディコム)」とNTTドコモ北海道支社のデータ回線を使用した北海道による原子力防災訓練が、2020年10月31日にオフサイトセンターにて実施されたと発表した。

訓練ではドコモのスマートフォンにBuddycomを搭載。

グループ通話、音声テキスト化、避難バスの動態管理を使い現状を確認し、従来のIP無線を使用した避難訓練をDX化して住民をスムーズに誘導することができたとしている。

原子力災害は一般的な災害と異なり、目に見えない放射線による影響があるため、住民はもとより、住民を支援する人々にとっても、なによりも情報共有が重要となる。

しかし、原子力災害時において住民避難用のバスの運転手へどのようにして情報を共有するのか、住民避難用のバスの運行状況をどのように把握するのかが課題であったとのことだ。

そこで北海道総務部危機対策局原子力防災対策課は、2020年10月31日にBuddycom×スマートフォンを使った二度目の防災訓練を実施。

従来はアナログ無線機を使っていたところ、ドコモのデータ回線、スマートフォン、Buddycomを使用することでDX化を行い、訓練のデジタル化、効率化、共通化、組織化、最適化が可能となったという。

それに伴い、情報のリアルタイムでの共有ができ、住民の誘導・避難状況の把握がスムーズになったとのことだ。

Buddycomは、リアルタイムな情報伝達、話した内容の文字化によるデータの蓄積、位置情報共有機能による動態管理などの機能を使い、従来のアナログ無線に不可能であった即時性、蓄積するデータ活用、より迅速なコミュニケーションの実現が可能。

今回の訓練では新型コロナウイルスの感染を防ぐため3密を避ける必要があったが、Buddycomを使うことによって、動態管理を駆使して位置情報を把握することで、ソーシャルディスタンスを保ちながら、音声だけではない情報の付加によるリアルタイムコミュニケーションを実現することができたという。

また、話した内容は音声と文字になって残り、聞き逃しても後から確認可能。道路渋滞情報や通行止め情報の画像をグループに一斉に共有でき、話した内容や位置情報のログは、その後の災害検証にも活用できるとのことだ。

役場やオフサイトセンターでは、各避難バスに乗車している職員へ、住民の乗車人数や避難状況等の情報伝達にBuddycomを活用。

コンソールから動態管理を実施し、オフサイトセンター全体会議室の大スクリーンにコンソール上の動態管理画面を表示して避難の状況を共有したという。

避難退域時検査場所では、車両の運行状況と車両の到着タイミングなどの確認に利用。

今回は町村ごとでグループ設定を行ったため町村単位での情報管理が容易となり、オフサイトセンターの訓練参加者からは、訓練中に大スクリーンにコンソールの動態管理画面を表示していたことから、避難状況がリアルタイムに可視化され、迅速に状況が把握できたため効果的だったという声が上がったとしている。

将来的には、Buddycomにより蓄積されていく防災訓練のデータを活かし、動画配信による遠隔リアルタイムコミュニケーションの実現、5G対応スマートフォンのAIや他アプリケーションとの連携を行うことで、「防災」を更にDX化していくとのことだ。

モバイルバージョンを終了