Connectは、Beyond Next Ventures、慶應イノベーション・イニシアティブ、フューチャーベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタル、エムスリーを引受先とする第三者割当増資により、総額2.1億円の資金調達を実施したと発表した。
今回の調達により、Connectの累計調達金額は2.45億円となるという。加えて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が実施した2020年度「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」(最大助成額:7,000万円、以下、STS事業)に係る第1回公募に採択されたという。
脳卒中は世界4大疾病の1つに指定されており、25歳以上の4人に1人が発症するといわれている。
また、発症後生存した場合にも、多くの患者はその後生じる重度な運動障害を抱えてしまい、以降10年間介護が必要とされている。
この運動障害には効果的な治療法が存在せず、アンメット・メディカル・ニーズの一つと捉えられてきた。
このような状況下において、医療機関では患者様の要望に応えることのできないペインが膨らみ、また患者自身もQOLを大きく毀損され、長く苦しい麻痺生活を余儀なくされるという。
また運動障害はこのような医療現場の課題を生むだけではなく、介護給付による財政圧迫の大きな要因と位置付けられているため、運動障害を治療し介護費を削減することが今後の日本社会における急務であるとされている。
Connectはブレイン・マシン・インターフェース(以下、BMI)技術を応用し、こうした課題の解決に取り組んでいる。BMIとは、脳活動の検出や脳への電気刺激等の、脳と機械をつなぐ技術を指す。
Connectが開発している医療機器は、麻痺患者の脳波から機能代償回路の活動を検出したタイミングで、麻痺部に装着したロボットを駆動することにより、脳と麻痺部位をつなぐ神経回路の再構築を促す。
この神経回路の再構築により、患者はロボットを外した状態でも自分の意志で麻痺部位を再び動かすことが可能になるという。
治療の実現により、患者様のQOL回復に貢献し、国の財政負担の軽減を目指すとのことだ。
Connectはこれまで本医療機器の試作を重ね、実証実験に取り組んできた。今後はSTS事業の補助金により脳波キャップおよびロボットモジュールの研究開発を加速させ、第三者割当増資によって調達した資金により、医療機器承認取得のための製品仕様策定、量産体制の構築および人材採用を行っていくとしている。