住信SBIネット銀行ら、コンソーシアム型AI審査モデルを開発

住信SBIネット銀行と日立製作所(以下、日立)が共同出資するDayta Consultingは、トランザクション・レンディングを対象としたAI審査サービスの提供に向け、コンソーシアム(集団参加)型AI審査モデルを新たに開発したと発表した。

トランザクション・レンディングとは、主に財務情報をもとに借入条件(借入可能額および借入利率)を決定する従来の融資形態ではなく、日々の取引データをもとに借入条件を決定するもので、FinTechを代表する新しい融資形態となる。

Dayta Consultingでは、2019年10月より開始した住宅ローン向けAI審査サービスの取り組みを通じて、地域金融機関をはじめとした金融機関におけるトランザクション・レンディングでの本サービスの利用ニーズを確認し、複数行の取引データの活用と審査精度等の検証を推進してきた。

具体的には、3月より、東邦銀行、愛媛銀行、住信SBIネット銀行(順不同)をはじめ、多数の地域金融機関において、AI審査モデルの開発に向けたPoCを開始し、トランザクション・レンディングにおける複数の銀行データを活用したコンソーシアム型の新たなAI審査モデルの構築に取り組んできた。

今後、参加行を拡充しながら、同サービスの本格的な提供開始を目指してさらなる検証を進めていくとしている。

同サービス向けに新たに構築したコンソーシアム型AI審査モデルは、複数行のデータを用いることで、豊富かつ多様なデータをAIの学習に反映できるため、債務不履行となるデータの特徴を高精度に捉えてPDの推計が可能。

このため、融資に伴うリスクを精緻に把握できるほか、融資判断の迅速化と信用コストのコントロールを可能とし、より多くの融資引き受けに寄与するとのことだ。

同サービスは、審査精度の向上による融資引受先の拡大のみならず、審査から融資実行までの一連の業務プロセスをインターネット上で完結させる法人向けオンライン融資等での活用が可能。

また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う新たな生活様式において、中小企業者の資金繰り支援のための円滑な資金供給といった課題解決に貢献することが期待できるという。

今後、法人向けトランザクション・レンディングに対象範囲を拡大し、地域創生に対する取り組みや業務効率化等をさらに支援していくとのことだ。

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