日本経済新聞電子版は、個人の視座の高さと日々のニュースへの感度を可視化するために、「ビジネス実戦力」を測定するプロジェクトを開始すると発表した。

正答率やSNS利用動向からスコアとして可視化し、全国のビジネスパーソンのビジネス実戦力の向上に貢献するとのことだ。

日々めまぐるしく変化するビジネス社会において、あらゆる物事・事象に対する視野・視点・視座がより問われる時代。正しく価値ある情報をスピーディーにキャッチできることは、個人の武器の1つであるとしている。

日経電子版は今回、1500人の記者が届けているニュース・情報をビジネスの現場で一層役立ててもらうべく、「ビジネス実戦力」をスコア化・視覚化するプロジェクトを実施。個人の視座の高さと流行先端性を「ビジネス実戦力」と位置付け、個人・日本全体のチカラを測るとのことだ。

獲得したスコアが、個人や企業にとって現状把握・今後の情報リテラシー向上につながることに期待するとともに、集まったデータを弊社の日経電子版でもコンテンツやサービス向上につなげるなど、社会全体のビジネス実戦力向上に役立てていきたいと考えているという。

「ビジネス実戦力」測定サイトは、「みんなのビジネス実戦力」特設サイトから、10問の時事テストに回答することで、スコアや5つのカテゴリーにおける知識バランスがわかる。

さらに自身のSNSと紐付けることで、SNS利用動向をAIで解析し、より精度の高いスコアを算出することが可能であるとしている。

今回、芸人のナイツ塙さんとエッセイストの犬山紙子さんが「ビジネス実戦力」測定を体験。

芸人のナイツ塙さんは、「普段、新聞を読んではいるものの、全く頭に入ってなかったんだと、ショックでした。短時間で何度もチャレンジ出来るので、やりながら覚えていくのはとてもいいですね。ビジネスマンではありませんが、知っていたら役に立つ知識ですので、定期的にやっていきたいです。新聞を読むスピードも速くなりそうですね。」とコメント。

また、エッセイストの犬山紙子さんは、「普段ニュース番組でコメンテーターをしているので、満遍なく調べているつもりでしたが偏りがかなりありました。想像以上に難しく、特に他国の企業について無知であることを痛感しました。まぐれで当たった問題もあります。」と述べている。

なお、10月29日に公開した「みんなのビジネス実戦力」サイトでは、すでに多くの人々が参加している。得られたデータを元に、世代・業種別でのビジネス実戦力の結果を公開。

20代、生保・損保業界がもっとも高いスコアを獲得

年齢別にみると、20代の平均点が56.9点となっており、以降30〜50代はほぼ同じ平均点に。

39種の業界別でみると、生保・損保業界の平均点が72.4点と高得点をマーク。新聞業界が65.2点、総合商社が62.4点と続く結果となっている。

普段から情報を扱う業界が比較的高得点を獲得しているといえそうとのことだ。

最も正答率が低いのは「経済知識」問題

「経済知識」「グローバル」「テクノロジー」「マーケティング」「視野の広さ」の5つの設問分類からみると、「テクノロジー」に関する設問は正答率55%を上回っている一方で、「経済知識」の平均正答率は40%を切っており、普段から経済情報に触れることが必要なビジネスパーソンは多そうであるという。

実際の問題では、「次世代エコカーの車体軽量化と関係が薄い素材はどれか」や「石炭を使わず、天然ガスや水素を使う技術開発を進める計画の製鉄大手の企業の名前は?」という素材に関するニュースについての問題は、正答率がともに15%に満たず、多くのビジネスパーソンが正しい知識を得られていない領域といえそうとのことだ。