豊島区、AI・IoT活用のバカンと避難所の混雑情報配信に関する協定を締結

AIとIoTを活用してあらゆる空き情報を配信するスタートアップ、バカンと東京都豊島区は2020年11日12日、災害発生時における避難所の混雑情報配信に関する協定を締結すると発表した。

現在対象となる区内の避難所は計35か所で、配信はバカンが提供するリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN」を通じて行われ、インターネット上で確認できるという。

なお、VACANの導入は今回が東京都23区で初となる。さらに、今回の導入にあたり、11月12日に合同記者会見を開催するとのことだ。

同協定では、豊島区が災害発生時に避難所を開設する際、バカンが避難所のリアルタイム混雑情報配信を行うインターネットサービスを提供。

現在対象となる避難所は計35か所となっており、配信は、バカンが提供するリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN(バカン)」を利用して行われるという。

VACANには、マップ上で近くの施設等の空き・混雑状況を一覧できる「VACAN Maps」という機能があり、避難する人はこのVACAN MapsにPCやスマートフォン等でアクセスすることで、各避難所の位置や混み具合を確認することができるとのことだ。

また、混み具合の情報は、各避難所の職員がインターネット上の管理画面から操作することで更新。表示は、「空いています」「やや混雑」「混雑」「満」の4段階であるとしている。

豊島区には国内でもトップクラスの利用者数を誇る池袋駅を中心とした巨大な繁華街が存在し、人口密度は全国1位となっているという。

令和2年には、昭和50年以来約45年ぶりに同区の人口が29万人を越えるなど増加傾向にあり、外国籍の住民の割合も10.4%となっており23区内では新宿区に続き2番目に高い街となっているとのことだ。

そのため災害時には国籍や年齢などに関わらず、区民が安全して避難できる環境の整備が求められ、昨年の台風19号では23区で初めて大雨特別警報が発令されるなど、台風などの災害リスクも高まっており、それに伴い避難所の重要性も増加。

そういった背景から、同区では「豊島区防災対策基本条例」を策定するなど災害による被害の最小化に力を入れているという。

またコロナ禍においては、従来の避難所の整備に加え感染拡大防止のために人と人との間に距離を確保する社会的距離(ソーシャルディスタンス)などが求められる。

これにより、避難所などでは利用者同士の距離の確保や体調不良者のゾーニングなどが重要になるが、一方で、そうした状況下においては各避難所の収容可能人数が従来と比べ少なくなる可能性があり、一部の避難所に人が集中することを避け、分散避難が必要となる。

今回の取り組みにより、避難する人や遠方に住む家族がリアルタイムに混雑状況を確認できることで、躊躇なく安心して分散避難できる環境の整備を進めていくとのことだ。

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