松竹芸能、NTTデータ経営研究所、Orucheは、松竹芸能が事業運営をしている体験型コミュニケーション研修プログラム「笑育(わらいく)」の効果・効能を、脳科学の観点から検証を実施。その結果、以下の通り「笑育」がコミュニケーションスキルの向上効果を示すことがわかったと発表した。
- 自己主張スキルが27.2%向上
- 同性初対面の人に対する欠点の自己開示が51.2%向上
- 同性の仲の良い友だちに対する、ネガティブな面の自己開示が30%程度向上
同結果は、「組織の一体感が増した」「人と打ち解け合うことが楽になった」など、これまでに多く寄せられていたユーザーの声を科学的に検証できたことを示唆しているという。
今後は、同検証の詳細報告を目的としたオンラインイベントを皮切りに、企業・学校・自治体と連携し、笑育サービスの拡大とデータ収集によりエビデンスの更なる獲得を推進。
また、コミュニケーションスキルを含む非認知スキル向上を目的とした教育・研修サービスの効果効用の検証支援も展開していくとのことだ。
さらに、非認知スキル向上を目的とした教育・研修サービスの効果効用の検証の普及を通じて、子供・学生・従業員などの育成、新たな教育ビジネスの創出を行い、人財育成を通じて中長期的な日本産業の発展に貢献していくとしている。
今回の検証の体制と役割は以下。
松竹芸能:笑育の企画・運用
NTTデータ経営研究所:研究企画の策定、実験準備・遂行、アンケートデータ分析
Oruche:データ分析
実証実験の概要は以下。
目的:笑育の効果効用に関するエビデンス獲得
実験時期:2019年1月~2020年5月(上記期間で実施した笑育(3回分)のデータを活用)新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2020年5月の笑育はWEB会議システムを用いて実施。
対象者:上記期間で実施した笑育(3回分)の参加者である男女43名
実験の流れ:
1.事前アンケートの実施
笑育実施前の対象者のコミュニケーションスキルや心理特性等の把握を目的として、対象者のコミュニケーションスキルや心理特性等を問うWEBアンケートを実施
2.体験型コミュニケーション研修「笑育」の実施
参加者を対象に笑育を実施。また、笑育実施中の参加者の表情の変化を評価するために、カメラを用いて参加者の顔を撮影
3.事後アンケート
笑育実施後の対象者のコミュニケーションスキルや心理特性等の把握を目的として、対象者のコミュニケーションスキルや心理特性等を問うWEBアンケートを実施
検証結果では、事前・事後のWEBアンケートを分析し、以下の結果が得られたという。
- 笑育の前後で、自己主張スキルが27.2%向上(元々スコアが低めの参加者グループにおいて)
- 笑育の前後で、同性初対面の人に対する欠点の自己開示が51.2%向上(元々スコアが低めの参加者グループにおいて)
- 笑育の前後で、同性の仲の良い友だちに対する、ネガティブな面の自己開示が30%程度向上(元々スコアが低めの参加者グループにおいて)
今回、笑育の効果・効用検証を行い、コミュニケーションスキルに苦手意識を持つ参加者に対し、笑育がコミュニケーションスキル向上に寄与することが明らかになったという。
この結果は、笑育が非認知スキルのひとつであるコミュニケーションスキル向上に効果的な教育・研修サービスであることを示唆しているとのことだ。
また、今後、同結果に関する詳細報告を目的としたオンラインイベントを開催。同イベントでは、笑育の詳細や、脳科学や人工知能(AI)を活用したコミュニケーションスキルを含む非認知スキルの評価研究などの詳細について報告するとのことだ。
さらに、今回の実証実験のスキームを活用し、企業や学校を対象にコミュニケーションスキルをはじめとする非認知スキル向上を目的とした教育・研修サービスの効果効用検証支援を行っていくという。
様々な企業・学校との連携を通じて、非認知スキルの評価方法や効果的なトレーニング方法の開発などに取り組んでいくとし、非認知スキル向上を目的とした教育・研修サービスの効果効用検証の普及を通じて、子供・学生・従業員等のスキル育成、新たな教育ビジネスの創出、そして人財育成を通じた中長期的な日本産業の発展に貢献していくとしている。