NTTデータは、準天頂衛星みちびき(以下、みちびき)「災危通報サービス」の防災情報と連携し、自動で災害モードに切り替わり、呼びかけ放送や現場映像収集、公開を行うスピーカー付きカメラシステムの開発着手を目指して、2020年10月に新潟県長岡市(以下、長岡市)協力のもと、実証実験を行った。

同カメラシステムは、みちびきの衛星回線を利用した「災危通報サービス」の防災情報と連携し、自動で災害モードに切り替わり、スピーカーによる呼びかけ放送や現場映像収集、公開を行う。

防災情報をカメラシステムで受信することで、災害発生危険エリアの映像取得を自動で開始。

また、受信した防災情報は、カメラシステムと連携したスピーカーから自動放送されるという。

さらに、カメラシステムにより取得した映像データは、映像軽量伝送技術を用いてクラウド上に伝送するとのことだ。

実証写真/カメラシステムから受信した映像イメージ

今回の実証実験では、防災利用においてカメラシステムの課題となっている、自治体職員の操作負荷や運用コスト削減に寄与できるかの検証を行ったという。

検証の結果、「災危通報サービス」受信をトリガーとして、放送・映像情報取得・情報公開をカメラシステムによる自動起動で行えることを確認することができたという。システムの自動化により、職員の操作の省力化に寄与することが期待できるとのことだ。

また、映像軽量伝送技術を用いることで、通信回線の容量が小さくても映像データをスムーズにクラウド上に伝送できることが確認できたという。

これにより、映像データ伝送に関する運用コストの低減を実現することで、将来的に広範囲に設置したカメラシステムで映像情報の取得公開を行い、自治体職員の災害対応判断や住民の能動的な避難行動に寄与することが期待できるとしている。

NTTデータは、自治体が防災情報を発信する「減災コミュニケーションシステム®」を提供しており、同カメラシステムについても検証を進め、2021年度中に商用提供することを目指すとしている。