藤沢市、公益社団法人藤沢市観光協会、JR東日本は、駅改札をSuicaで入出場する際に記録されるデータを、JR東日本が利用者個人を識別されないよう統計処理して作成した、電車利用者の行動分析レポートを活用し、藤沢市の観光施策のための基礎データや、コロナ禍による市内の観光への影響評価を実施することになったと発表した。
このレポートを活用することで、藤沢市外からの来訪者および藤沢市内の電車移動者の動向を確認することができるとのことだ。
また、JR東日本が、自治体と共同でSuicaのデータを活用する本格的な取組みを実施するのは、今回がはじめてのケースとなるとしている。
観光客のニーズが多様化するなか、藤沢市は観光事業を実施するとともに、事業の効果測定を行い、適宜改善を図りながら観光施策を推進する必要があるという。
また、昨今のコロナ禍において、精緻で客観的なデータに基づき、観光客の行動変容を把握し、効果的な観光施策の推進に活用することが求められるとのことだ。
そのような中、JR東日本がSuicaのデータを利用者個人が識別されないよう統計処理して生成したレポートを元に、藤沢市、藤沢市観光協会が観光施策での活用を目的とした観光目的来訪者の状況を評価することになったという。
なお、JR東日本では、これまでSuicaのデータを利用者個人が識別されないよう統計処理したレポートを作成し、駅案内等の業務の改善等に活用してきており、今回の取組みではそのレポート作成のノウハウを生かして藤沢市の観光施策に寄与したいと考えているとのことだ。
レポートは、Suica(モバイル端末等を含む)の利用者が、駅の改札(私鉄を含む)を入出場する際に記録されるデータ(入出場駅、入出場時間等)を用い、個人が識別されないよう統計処理したうえで作成した図や数表となる。
実施期間は2020年12月から2021年3月。データ対象期間は2019年2月から2021年1月とのことだ。
今後について、藤沢市、藤沢市観光協会は今回の取組みの経験・成果を踏まえて、上記実施期間以降も継続して観光分野で活用するとともに、市は今後、庁内で情報共有し、藤沢市内の産業をはじめとした幅広い分野でのSuicaのデータの活用を検討していく予定であるとしている。
またJR東日本は、今後Suicaのデータを利用者個人が識別されないよう統計処理したレポートを活用することで、観光施策での活用だけでなく、様々な分野で役に立ちたいと考えているとのことだ。