電通は、テレビスポット広告において、複数の広告主間で広告枠の組み換えを行い、広告効果を向上させる最適パターンを提案する新システム「RICH FLOW(リッチフロー)」(β版)を開発したと発表した。
AIを活用し、各社が取得したテレビスポット広告枠の中で、広告主のニーズに基づく最適な組み換えパターンを特定。対応可能な放送局と連携し、適切に広告枠の組み換えを行うことで、より効果的なテレビスポット広告の出稿が可能となるという。
昨今、テレビの広告効果を可視化するマーケティングデータの整備・拡充が進み、番組単位の詳細なターゲット分析や、売り上げに貢献する時間帯・放送日の抽出が可能になった。
しかし、現在の取引形態では、取得したテレビスポット広告枠を市場の変化に合わせて後日柔軟に変更することが難しいという課題があったとのことだ。
今回開発された「RICH FLOW」(β版)は、電通の知見とノウハウを生かし、広告主の出稿条件などを守りながら、よりニーズに近い広告枠への組み換えパターンの特定を可能にするシステム。
例えば、天候・気象条件に合わせてCMを流したい広告主と、特定のターゲットの視聴率をより多く獲得したい広告主、両社のキャンペーン出稿条件を確認しつつ、双方のニーズを高める広告枠の組み換えパターンを特定し、対応可能な放送局と連携してこれらの組み換えを実施することで、より目的に沿った広告出稿が実現するとしている。
電通は、広告主のKPIを高めるこの新しいシステム開発を通して、”人”基点でのテレビプランニング「People Driven TV Planning」においてテレビ広告枠ターゲット層の視聴の多寡を可視化した「People Driven TV Heatmap」の活用を進めていくとのことだ。
同社は、広告主のニーズに対応したさまざまなソリューションを開発・提供し、企業のマーケティング活動に貢献していくとしている。