ユーザーローカルは、セゾン情報システムズのHULFT陸上部に所属する選手のトレーニングの効率化を支援するために、姿勢推定AIを提供したことを発表した。
セゾン情報システムズのHULFT陸上部には、現在3名の400m走アスリートが所属しており、2018年からITサポート部とテクノベーションセンター先端技術部が、この3名のアスリートに対してデータ解析による支援をしている。
しかし、映像から選手のピッチ(選手が走る際の1歩にかかる時間)やストライド(1歩の幅、歩幅)を計測するに当たり、目視や手動での解析には時間と手間がかかるなどの課題があった。
そこで、セゾン情報システムズでは2020年から、データ解析の効率化と品質の向上に向けて、ユーザーローカルの「姿勢推定AI」を取り入れた解析を実施しているという。
腰の座標の時間変化からピッチ(着地の時間間隔)、ストライド(着地の距離間隔)が求まり、アスリートはこの組み合わせを調整することでベストなレースパターンにたどり着くという。
眼視による測定では区間ごとの平均値しか得られなかったのが、骨格検出動画解析で一歩ごとの測定値を走行直後に知ることができるようになり、レースパターン調整の効率が飛躍的に高まったとのことだ。
アスリートは地面を蹴った力の反作用で加速していくため、骨格検出により関節の曲がり角度が時系列で得られるようになり、過去の経験則に照らし合わせて、地面の反力を効率よく加速に使えているかをすぐに知ることができるようになったという。
腰の座標の時間変化を追うことで、走りの力学とこのトレーニングとの関連性を科学的に考察できるようになった。従来の眼視による姿勢の評価と比べ、数値で評価できることによる客観性の増大がトレーニングの効率を大きく高めたとのことだ。
同社では、現在すでに上記のトレーニングでの検証に成功しているという。今後も姿勢推定AIを活用してさらなるデータ解析の効率化とトレーニングの質向上を目指していくとのことだ。