ソニー・グローバルエデュケーションは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子どもたちや学校、教育関係者への支援策として、2020年7月に日本と中国、アメリカで開始したロボット・プログラミング教材KOOV®の寄贈等の支援を拡大して継続すると発表した。

第1弾の教育支援では、1,200名以上にKOOVによるプログラミングの体験機会を提供。この支援規模を2020年10月から2倍以上に拡大し、より多くの教育機関と連携しながら子どもたちにプログラミング教育を届けていくとのことだ。

また、2017年より開催してきた国際ロボットコンテスト「KOOV Challenge」を2020年はオンライン形式で実施。従来のKOOVユーザーに加えて、これまでの支援でKOOVを体験した子どもたちが新たな創作に挑戦したり、他のユーザーと交流できる機会を提供するとしている。

なお、これらの支援に係る費用は、新型コロナウイルスの影響を受けている人々のためにソニーが立ち上げた「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」から拠出するとのことだ。

2020年10月からの具体的な活動内容は以下となる。

日本では、学童の運営を行うNPO法人との連携を更に拡大し、KOOVキットの無償提供と教育活動のための資金を寄付。新たに特定非営利活動法人Chance for Allと連携し、KOOVを使ったワークショップの実施や子どもたちが創作したKOOV作品を発表する場をつくるとしている。

また、特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクールとの連携も継続し、教育格差縮小の取り組みとしてソニーが展開している「感動体験プログラム」の一環として、KOOVを活用したオンラインでのプログラミング体験ワークショップの公募を実施するとのことだ。

これまでにオンラインワークショップを受講した子どもたちへのアンケートでは、9割以上の子どもが「楽しかった」と回答。

また参加団体からは「高学年が低学年に教えたり、早くできた子が友だちに教えたり、助け合いながら参加してチームワークが生まれていた」、「作品を作り上げたことで、自分に自信を持てた様子だった」などの感想が寄せられたという。

自治体との連携としては、8月にKOOVと機材類を寄贈した青森市において、青森市立東中学校が授業を開始。

テーマは「青森ねぶた祭×プログラミング」となっており、美術科と技術科のコラボ授業として、ねぶたの動きをプログラミングで作るこの取り組みは、生徒たちが、いつもとは異なる視点で改めて身の回りの環境を見つめるきっかけとなったとのことだ。

また、岡山県の岡山大学国際創造教育研究所、高知県四万十町へも寄贈を行い、今後豊島区教育委員会(東京都)と函館市教育委員会(北海道)などさらに広域の自治体への無償提供を進め、地域のニーズに即し、地域ならではの特長を活かしたSTEAM教育実践事例の創出に寄与していくとしている。

中国では、ソニーチャイナから、これまでにNPO中华少年儿童慈善救助基金会を通じてKOOVを5歳から10歳の子どもたち200人に無償で提供。

対象者はソニーチャイナの協力教育機関からオンラインでプログラミング授業を計11回受講し、参加者や教育業界からは、『オンラインで実施しにくいと考えられていたSTEAM教育を確実に提供できたことがまさにコロナ禍の有効な教育支援である』と高い評価を受けているとのことだ。

今後は支援の対象をさらに拡大し、新たに7歳~10歳の子ども500人にKOOVを寄贈し、無料のオンライン授業も合わせて提供するとしている。

米国では、ソニー米国法人Sony Electronics Inc.から、KOOV Academy Programとして、カリフォルニア州サンディエゴ学区の教育を担当するSan Diego County Office of Education、NPO法人のClassroom of the Future Foundation 、NYSCATE等を通じて200人以上の教育者へKOOVとそのトレーニングの無償提供を実施。

今後は、より多くの自治体やNPOを通じて、コロナ禍において学習機会の制限を受けている子どもたちにプログラミング教育の機会を提供していくのことだ。