ニトリホールディングスは、島忠に対して経営統合に関する提案を行い、島忠に対する公開買付けを開始することを決定したと発表した。
同公開買付けは、一定の前提条件が充足された場合に開始するという。ニトリは、10月29日現在、2020年11月中旬を目途に同公開買付けを開始することを目指しているとのことだ。
また、TDnet にて開示している「株式会社島忠(証券コード:8184)の株券等に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」および島忠に対する提案に関する説明資料である「株式会社島忠への公開買付けを通じた経営統合及び完全子会社化のご提案に関する説明資料」を公表。
島忠の株券等に対する公開買付けの開始予定に関する知らせでは、ニトリが、島忠の普通株式を金融商品取引法に基づく公開買付けにより取得することを決定したとしている。
なお、同公開買付けは、同公開買付前提条件が充足された場合に開始。同社は、10月29日現在、同公開買付前提条件のうち、下記前提条件1に関する私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律(以下、独占禁止法)上の必要な手続およびその対応状況を考慮の上、2020年11月中旬を目途に同公開買付けを開始することを目指しているとしている。
公開買付価格は1株当たり5,500円とし、DCMホールディングスの公開買付開始プレスリリースにて公表されたDCMホールディングスによる対象者株式に対する公開買付けにおける買付け等の価格(1株当たり4,200円)より1株当たり1,300円高い金額となるとのことだ。
同公開買付けは、以下の全ての条件が充足された場合(またはニトリが同公開買付前提条件を放棄した場合)に、開始されるという。
1.公開買付けの実施が、重要な点において、適用法令に基づく許認可又はそれらに付加された条件に抵触せず、また、同許認可等に係る必要手続に違反するものではなく、それらが合理的に見込まれていないこと
(なお、同公開買付けを行うことについて必要となる独占禁止法上の取得禁止期間および排除期間の満了については、同公開買付けにおける買付け等の期間の末日の前日までにこれらの期間が満了することが合理的に見込まれると同社が判断した場合に、これが充足されたものとする。)
2.対象者の財政状態に重大な悪影響を与える事由(法第27条の11第1項但書に定める公開買付けの撤回が認められる事由)が生じていないこと
3.DCMホールディングス公開買付けが成立していないこと(DCMホールディングス公開買付けが継続している状態にあることを含む)
公開買付けの概要として、10月29日に開催した取締役会において、島忠をニトリの完全子会社とすることを目的として、同公開買付前提条件が充足されたことを同公開買付けの開始の条件として、東京証券取引所市場第一部に上場している島忠株式の全て(ニトリが所有する島忠株式および島忠が所有する自己株式を除く)を対象とする公開買付けを実施することを決定したという。
ニトリは、10月29日現在、100株の島忠株式を所有。
買付予定数の下限を19,477,600株(所有割合:50.00%)と設定し、同公開買付けに応募された株券等(以下、応募株券等)の総数が19,477,600株に満たない場合には応募株券等の全部の買付け等を行わないこととしている。
一方、同公開買付けにおいては、島忠株式の全て(ニトリが所有する対象者株式および島忠が所有する自己株式を除く)を取得することを目的としていることから、買付予定数の上限については設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(19,477,600株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことだ。
なお、ニトリは、島忠とのシナジー効果効果として以下をあげている。
- 島忠店舗の全国展開による高品質な家具の販売機会の拡大および幅広い顧客層の豊かな暮らしの実現への貢献
- 島忠のホームセンター(HC)商品とニトリのホームファッション(HFa)商品との相互補完による販売拡大と、プライベートブランド(PB)商品開発ノウハウ共有による利益率の向上
- 物流機能の共同利用によるコスト削減・資産効率改善
- ニトリグループの有する「製造物流IT小売業」としての各種サプライチェーン上の機能・ノウハウ提供によるコスト削減および改善スピードの加速
- ニトリモール事業、デコホーム事業とのシナジー追求
- 首都圏・都心部へのshop in shop型店舗の相互出店、かつより広範な出店戦略
- Eコマースでの販売体制の強化
- 共通ポイントの導入による相互送客と新規顧客獲得
- 海外店舗での島忠の商品の販売、将来的な海外出店の実現