サイバーエージェント、「極予測AI人間」を提供 AIで「広告効果の出せるAIモデル」へと育成

サイバーエージェントは、AIで「広告効果の出せるAIモデル」へと育成していく「極予測AI人間(キワミヨソクエーアイニンゲン)」を11月より提供すると発表した。

極予測AI人間は、AIを活用し広告クリエイティブを制作する「極予測AI」の効果予測技術と、CyberHuman ProductionsのデジタルヒューマンCG制作技術を用いて、企業やブランド毎のターゲティングに適した人物モデルをオリジナルで生成。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、広告・プロモーションに必要な素材の撮影や人物モデルを起用した撮影が短縮・中止されるなど、撮影の時間や場所など多くの制約が続いている。

特に人物モデルの撮影は難易度が高く、企業のイメージやターゲットに合ったモデルの選定、スケジュール調整に撮影スタジオの環境整備、撮影に伴う移動や拘束時間の調整、海外在住のモデルを起用することが難しいなど、現在も多くの課題を抱えているという。

さらに、運用型広告では広告効果を維持するために、多種多様かつ大量な広告クリエイティブを短期間で制作しなければならない上、迅速なクリエイティブ運用が重要であるが、撮影自体が制限される昨今の状況下では、様々な衣装や髪型、ポージングや背景が異なる人物モデルの追加撮影ができず、人物素材を追加で準備すること自体が困難であるとしている。

こうした背景のもと、同社ではGAN(敵対的生成ネットワーク)による架空のAIモデルの大量生成と「極予測AI」の効果予測を何度も繰り返すことで、企業やブランド毎のターゲティングに適した「オリジナルのAIモデル」を生成。

さらに、AIで「広告効果の出せるAIモデル」へと育成していく「極予測AI人間」を11月より提供。同技術は現在特許出願中であるとのことだ。

極予測AI人間により、企業ブランディングに適したモデルの制作キャスティングおよび、多種多様な髪型・ポーズ・ファッション・シチュエーションの表現やコロナ禍で起用が難しい外国籍のモデルも生成が可能。

撮影や表現の様々な制約や契約条件にとらわれることなく、広告クリエイティブを制作することができるとしている。

また、企業やブランド毎に配信メディアの特性やターゲット属性なども考慮し、AIモデルの服装や髪型などを作り分け、広告クリエイティブを制作し配信。

これにより高い広告効果が見込めるとともに、さらに、広告配信後の実績データも「極予測AI」の効果予測AIに組み込むことで、オリジナルのAIモデルを「効果の出せるAIモデル」へとAIで育成していくという。

さらに、細かなターゲット設計が必要な人材・通販・金融・マッチング業界などをはじめ、多くの業種において、広告クリエイティブによる広告効果向上の貢献が期待できるとのことだ。

GANによるAIモデルの生成技術および「極予測AI」の効果予測ロジックは、同社のAI研究開発組織「AI Lab」と共に開発し、その専門性をプロダクト開発に活かしているという。

また、同社ではクリエイティブ専門子会社を多数保有しており、3Dスキャン技術やデジタルヒューマンのCG制作を強みとするCyberHuman Productions等と連携し、「バーチャル撮影システム」や「LED STUDIO」を活用した撮影を行なうことで、より多くの素材データを作成し、多種多様かつ高品質な広告クリエイティブ制作が可能であるとしている。

こうした取り組みや「極予測AI人間」を通し、同社は今後も高い技術力をいかした新しいクリエイティブの価値提供を目指すとともに、広告主企業の広告効果最大化に尽力していくとのことだ。

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