伊藤忠とANA、温室効果ガス削減へSAFの商用フライトで活用

伊藤忠商事は、全日本空輸(以下、ANA)とリニューアブル燃料メーカーであるNeste Corporation(以下、NESTE)グループと協働で、石油代替航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)(以下、SAF)の日本初となる商用フライト規模での供給を実現したと発表した。

今回の取組を契機に、航空輸送分野での再生可能資源由来の燃料(以下、リニューアブル燃料)ビジネスに本格参入し、循環型低炭素社会の実現及びGHG排出削減を目指すという。

昨今、各産業界での気候変動に関する動向が注目を浴び対策が急がれている。

航空業界では国際的なGHG排出削減枠組実現の為に欧米を中心にSAF導入が進んでおり、今後世界的な市場規模の拡大が予測されている。

日本国内でもSAF供給体制構築を目指す中で、生産量の確保及び燃料製造から航空機への給油迄のサプライチェーン構築は喫緊の課題となっていた。

伊藤忠商事は今回の取組にて、NESTEとの間でSAFの日本国内向け輸入契約を締結。ANA・NESTEと3社協働で、SAF輸入・品質管理から空港への搬入までの一連のサプライチェーン構築を実現した。

今回輸入されたSAFは羽田空港及び成田空港でのANA運航の航空機燃料として使用される。

これは、航空輸送分野でのGHG排出削減を可能にするSAFを燃料とした商用フライトとしては日本での初運航になり、今後の日本・アジアでのSAF供給体制構築に向けたマイルストーンとなる。

また、NESTE製造のSAFは食品競合のない廃食油や動物油等を原料として製造され、ライフサイクルアセスメントベースでのGHG排出量で石油由来航空用ジェット燃料比約90%削減を実現するという。

同社は航空輸送分野に加え、陸上輸送分野においてもGHG排出削減効果が期待されるリニューアブルディーゼル(Renewable Diesel)の導入に向けて、同様に日本向け初輸入を実現すべくNESTEと協働で取り組んでいるとのことだ。

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