日立製作所(以下、日立)は、2021年4月からの在宅勤務活用を標準とする新常態(ニューノーマル)における新たな働き方の実現に向け、ハンコレスなどの業務改革やオフィス改革などを実施し、年間約5億枚の紙削減をめざすとともに、出社を前提としない「タイム&ロケーションフリーワーク」の深化を図ると発表した。

日立は、在宅勤務を変革のドライバーとして働き方の多様化をさらに推し進めるという。

また同時に、従業員一人ひとりが最大限能力を発揮し生産性を向上していくため、ジョブディスクリプションやパフォーマンス・マネジメントなどの仕組みにより、一人ひとりの仕事・役割と期待成果を明確にするジョブ型人財マネジメントへの転換をより加速していくとしている。

日立の新常態(ニューノーマル)での新たな働き方に向けた主な施策

1.ハンコレス・ペーパーレスによる業務改革

従来、出社要因の一つとなっていた押印業務の削減に向けて、2021年度中に社内の押印業務を全面的に廃止し、業務プロセスの見直しと併せて、インターネットを活用したフローシステムへ移行。

社外向けの押印業務については、電子申請化にむけて関係者との調整を推進していくとのことだ。

具体的には、日立グループで提供している電子署名サービスを営業や調達業務などにおいて2020年10月より使用を開始。

また、押印業務の削減に加えて、社内のペーパーレス推進プロジェクトを立ち上げ、日立グループ(上場子会社を除く)としての国内における年間紙使用量を7億枚(2019年度実績、A4換算)から2020年度は約70%(約5億枚)削減し、環境負荷の低減にも貢献していくとしている。

日立は今後、これらの取り組みや協創を通じ、日立だけでなく顧客を含むさまざまなステークホルダーの社会価値、環境価値の向上に取り組んでいくとのことだ。

2.オフィス改革

「ベースオフィス」「サテライトオフィス」「在宅勤務」それぞれの勤務場所で実施する業務を明確化することで、従業員が業務内容に応じて柔軟に勤務場所を選択できるようにするという。

ベースオフィスでは、フリーアドレス化などによるスペース効率の向上を進めるとともに、リアルな空間で集うためのコミュニケーションスペースの拡充やオンラインコミュニケーションのための遮音ブースの設置など、用途に応じたオフィス空間に変更。

加えて、リモート環境の向上のために、外部ネットワークからの接続においても通信遅延が発生しにくい新規クライアントPCの導入を2021年1月より開始するとのことだ。

3.リモート環境下におけるマネジメントの支援

在宅勤務において円滑なコミュニケーションやマネジメントを推進するために、日立製作所の管理職8,000人を含む日立グループ各社において、リモート環境におけるマネジメント研修を10月より順次開始。

リモート環境下での日常マネジメントに必要なスキルや知識などをオンラインで研修し、上司部下の相互コミュニケーションの活発化やオンライン会議の効果的な運用などを支援していくとのことだ。