京都HD・JR東日本ら、観光客の分散化へ 「奥京都 MaaS」実証実験を開始

京阪ホールディングス、京都市、京都市観光協会とJR東日本は、京都の奥座敷と呼ばれる大原・八瀬、鞍馬・貴船などの洛北エリアにて、Web型MaaS(Mobility as a Service)「奥京都 MaaS」の実証実験を10月27日から開始すると発表した。

同実証実験では、京都市内中心部の混雑緩和、地域観光消費額の増大と分散化、朝観光・夜観光の促進による観光時間帯の分散化といった課題解決を目的に、洛北エリアへの観光客の分散化を目指しているという。

そのため、「奥京都MaaS」では、Web上で、大原・八瀬、鞍馬・貴船などの洛北エリア内を周遊するモデルコースを観光客に「分かりやすく」提案。

さらに、「おトクで便利な」鉄道・バスの特典付き企画乗車券および飲食チケットを販売するほか、デジタルスタンプラリーを展開するなど洛北エリアでの周遊を「楽しく」促進することを図るとのことだ。

特に企画乗車券は、Webサービスの利点を活かして、日単位ではなく、利用開始時から24時間または36時間の時間単位とした。

こういった事例は国内では珍しく、新幹線などを使ってJR京都駅に昼過ぎに到着する宿泊観光客にとっても利便性の高い企画乗車券とすることで、洛北エリア内での朝観光・夜観光を促すという。

また、コロナ禍であることを踏まえ、京都市内の500mメッシュ単位の人口推計を確認できる機能を搭載した観光マップを採用。

1時間ごとに直近1時間の人口推計データを表示することで、観光客が観光情報と京都市内各エリアの混雑状況を1つの地図でタイムリーに把握しながら旅行することができるとのことだ。

京都市・京都市観光協会が取り組む「とっておきの京都プロジェクト」をはじめ、地域等と連携して「奥京都MaaS」を実施することで、利用者にとっての「安全安心」と公共交通の「便利な移動」を両立して各種サービスを提供するとしている。

なお、以下が同実証実験の概要となる。

目的:京都市に来訪する観光客の訪問エリア・時間帯・観光テーマの分散化
主催:京阪ホールディングス
連携先:京都市、公益社団法人京都市観光協会、JR東日本
期間:2020年10月27日から2021年1月31日予定
その他:2020年10月26日現在、貴船口駅付近で発生した土砂崩れの影響により、叡山電車鞍馬線は市原駅~鞍馬駅間で運転を見合わせ

【今回の実証実験の3つのポイント】

【旅程にあわせて選べる叡電&京都バスの3つの券種と1つのオプション券】
①奥京都 MaaS 交通パス【叡山電車&京都バス(洛北地区)36 時間】
 大人 2,200円 こども 1,100円
②奥京都 MaaS 交通パス【叡山電車&京都バス(洛北地区)24 時間】
 大人 1,600円 こども 800円
③奥京都 MaaS 交通パス【叡山電車 24 時間】
 大人 900円 こども 450円

上記①~③のパスのいずれかを購入の人は、以下のオプション券の購入も可能。
・奥京都 MaaS 交通パスオプション券【叡山ケーブル&ロープウェイ往復乗車券】
 大人 1,440円 こども 720円

デジタル企画乗車券の提示で特典を受けることができる協力先(予定)
・大原・八瀬エリア:三千院・寂光院ほか
・鞍馬・貴船エリア:鞍馬寺・貴船神社ほか
・修学院・一乗寺・出町柳エリア:旧三井家下鴨別邸・曼殊院ほか
・その他のエリア:実相院・岩倉具視幽棲旧宅・京都タワーほか

【JR東日本アプリとの連動】
JR東日本アプリにて京都の主要な駅名を検索した際に「奥京都MaaS」を告知。これにより、京都旅行に関心がある人、来訪予定がある人に、効果的にこのサービスを訴求するとのことだ。

【叡山電車の全編成に GPS 端末を設置し、リアルタイムで在線位置情報を提供】
同実証実験中、叡山電車全編成にGPS端末を設置し、観光マップ上に各編成が今どこを走っているか、という情報を提供。なお、この情報は、10月27日より提供開始予定。

【大原エリアでの三次交通(シェアサイクル)展開の可能性を検証】
大阪市内や首都圏など観光客の多い発地・生活圏において、圧倒的なシェアを誇るドコモ・バイクシェアを大原エリアにおいて 8 日間の期間限定でトライアル実施。

既存会員は、キャッシュレスで、普段の生活で利用する電動アシスト自転車を大原でも楽しめるという。

さらに、非会員であっても、大原を電動アシスト自転車で満喫いただくために、特別に、1日券500円・2日券1,000円のプリペイドカードの販売も実施。シェアサイクルによる大原での宿泊を伴う夜観光・朝観光促進の可能性を検証するとのことだ。

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