東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野の河岡義裕教授らの研究グループは、新型コロナウイルスの空気伝播におけるマスクの防御効果とマスクの適切な使用法の重要性を明らかにした。
同研究では、バイオセーフ―ティーレベル(BSL)3施設内に感染性の新型コロナウイルスを噴霧できるチャンバーを開発し、その中に人工呼吸器を繋いだマネキンを設置して、マネキンに装着したマスクを通過するウイルス量を調べたという。
その結果、マスクを装着することで新型コロナウイルスの空間中への拡散と吸い込みの両方を抑える効果があることがわかったとしている。
また、N95マスクは最も高い防御性能を示したが、適切に装着しない場合はその防御効果が低下すること、また、マスク単体ではウイルスの吸い込みを完全には防ぐことができないことが判明した。
同研究成果は、10月21日、米国科学雑誌「mSphere」オンライン版で公開されるとのことだ。
なお、同研究は、東京大学、慶應義塾大学、国立病院機構仙台医療センターが共同で行ったもの。
今回の研究により、感染性の新型コロナウイルスに対するマスクの防御効果とその効果を十分に発揮する条件が明らかになったことで、適切なマスクの使用方法への啓発に役立つことが期待されるとしている。