アクセンチュアは、政府や医療機関が迅速かつ効果的に新型コロナウイルス感染症のワクチン接種プログラムや、関連する物流やコミュニケーション施策を計画、開発するための、包括的なワクチン管理ソリューションを発表した。

発表したソリューションは、アクセンチュアが持つ接触追跡機能を拡張するもので、新型コロナウイルス感染症のワクチン配布にあたり、公衆衛生の管轄区で米国疾病対策予防センター(CDC)が提供するガイドラインに準拠した運用を支援するもの。

現在、世界中の医療機関だけでなく中央政府、州政府や地方自治体とも連携し、新型コロナウイルス感染症に向けた予防接種プログラムの計画、開発、調整、配布、管理を行うことが求められているという。

このソリューションはアクセンチュアの卓越した業界経験、分析やコンサルティングの知見に基づいて開発されており、Salesforceのプラットフォーム上に構築された複数のコンポーネントが含まれているとのことだ。

アクセンチュアでのグローバルの公共セクター部門を率いるシニア・マネジング・ディレクターであるライアン・オークス(Ryan Oakes)氏は、次のように述べている。

「アクセンチュアのソリューションは、世界中の公的機関や医療機関による集団予防接種プログラムの開発、立ち上げ、運営に求められるさまざまなニーズに対応できるように設計されています。CDCのガイドラインで強調されているように、取り組みは迅速かつ幅広く実施される必要があります。アクセンチュアは、新型コロナウイルスの予防接種管理に必要な優先事項を明確かつ迅速に進めるため、体系的に支援します。」

なお、同ソリューションには以下の要素が含まれており、ニーズに合わせて、組み合わせまたは個別に使用することが可能であるという。

  • ワクチン管理および追跡プラットフォーム
    • アクセンチュアの接触確認機能は、Salesforceのマニュアル接触追跡ソリューションを活用している。
    • この機能を拡張したプラットフォームは迅速な導入が可能で、市民のワクチン接種の一連の流れを、登録や予約のスケジュール管理、さらに最終的なワクチン投与や症状のフォローアップまで、安全に追跡できるように設計されているとのことだ。
  • サプライ・マネジメント
    • アクセンチュアの豊富なサプライチェーンの経験と、制約に基づいた最適化のための先端の商用ソフトウェアを活用し、ワクチン供給の発注、在庫管理、需要予測などを行うことが可能であるとしている。
  • コミュニティへの認知拡大
    • アクセンチュアのマーケティングやキャンペーン実施領域における実績と、Salesforceのプラットフォームを活用し、ひとを中心としたデータ駆動型のアプローチを取ることで、医療機関や高リスクな人々の間で認知拡大と導入を促進。
  • 接触管理
    • Salesforceプラットフォーム上に構築されたこのソリューションでは、よくある質問にバーチャルエージェントが対応。また、自動化されたテキストメッセージや電子メールを活用してコミュニティへの参加、資格審査、健康調査を行うことで、電話問い合わせの増加に対応できるよう設計されているという。
  • 分析とレポート作成
    • アクセンチュアのアプライド インテリジェンスグループが開発したAIP+を使用し、公衆衛生および第三者のデータを活用することで公平なワクチン接種計画の作成が可能。優先度の高い集団定義や、ワクチン供給先の割り当てのほか、市民とのコミュニケーションや投薬計画が遵守されているかを管理し、さらに、ワクチン配布の物流分析および有効性と安全性のパターン分析を提供するとのことだ。
  • 組織サポート
    • CDCが推奨する内部計画の作成やワクチン実施委員会の設立など、ワクチン提供の一連の取り組みを成功させるためのビジネスプロセスの要件を支援するためのコンサルティングを行うという。

アクセンチュアとセールスフォース・ドットコムは、新型コロナウイルスのパンデミック期間中、迅速に共同ソリューションを開発。急速に変化し続ける状況下で生じる問題やニーズに対応する政府や組織を支援してきた。

2020年5月には、世界中の組織の安全な再始動を支援するソリューション「Work.com」の発表パートナーとしてセールスフォース・ドットコムと協力し、その後ワクチン管理機能を追加した「Work.com for Vaccines」も含め、公衆衛生およびケア管理ソリューションを構築している。