豊田通商、ケニアのバス事業者向け運行管理システム開発のDILに投資

豊田通商とグループ会社のCFAO SAS(以下、CFAO)は、2019年10月に共同で設立したMobility 54 Investment SAS(以下、モビリティ54)を通じて、ケニアでバス交通事業者向けの運行管理システムを開発・提供するData Integrated Limited(データ・インテグレイテッド・リミテッド:以下、DIL)へ投資したことを発表した。

ケニアでは、約3万台の「マタツ」と呼ばれる乗り合いバスが古くより市民の移動手段として普及しており、首都ナイロビでは通勤者の約50%がマタツを利用していると言われている。

バスのオーナーは主に個人事業主で、マタツ運行組合に所属しているが、それぞれ個別に運転手と運行従事者を雇いバス事業を営んでいるという。

そのため、バスごとの運行情報が整理されておらず、乗客にとっては、目的地に向けていつどのバスに乗ればよいかなどの基本的な情報が不透明であるとのことだ。

また、現場の運行従事者が運賃や収益を管理しているため、オーナーにとっては、日々の乗客数や収益情報も不透明であり、顧客サービスの改善や車両入れ替え・メンテナンス時期の判断が難しいなどの課題が生じているという。

今回の投資先であるDILは、ナイロビを中心に、マタツ運行組合のもとで使用されている約3,000台のバスに対して運行管理システム、発券システムを開発・提供しているスタートアップ。

地場の運行業者との緊密な連携が求められる同事業領域で、現場と向き合いながら事業者側の課題解決のためのシステムを開発し、運行情報と乗車情報を整流化することで、バス事業管理の品質向上に寄与している。

また、ケニアでは新型コロナウイルス感染症の感染防止策として、公共交通機関でのキャッシュレスシステムの導入が義務化される予定。

これを受け、政府から公式に指名を受けたDILは自らの事業者ネットワークを活用し、バスのキャッシュレスシステムの導入と、乗客向けのバス検索・予約・決済アプリの配信を開始し、政府と連携した衛生的なバスサービス運営に貢献しているとのことだ。

豊田通商グループは、これまで主に車両とアフターサービスの提供というハード面で、アフリカでのモビリティ事業に取り組んできた。

今回のDILへの投資は、MaaS/CASE事業といったソフト面での取り組みを加速するものになるとしている。

ソフト/ハード両面での取り組みを通じて、より包括的にアフリカのモビリティ社会に関わり、今後も現地の課題解決に取り組んでいくとのことだ。

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