「使っている音楽アプリに好きなアーティストが反対で3割が利用をやめる」 LINE MUSIC、「無許諾音楽アプリ」に関するアンケート調査を実施

LINE MUSICは、LINEリサーチを活用した「無許諾音楽アプリ」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。

無許諾音楽アプリで音楽を楽しむ利用者に減少傾向の兆し

2019年9月に実施した調査では、直近3か月の音楽の楽しみ方を聞いたところ「無許諾音楽アプリ」と回答したユーザーが15%だったところ、2020年9月に実施した調査では11%と減少し、特に10代20代の利用が減少傾向であることが分かったという。

反対に音楽ストリーミングサービスの利用は昨年より6ポイント増加。

その他、新型コロナウイルスの影響で、「単独ライブやイベント、フェス」と回答したユーザーが9ポイント減少、「カラオケ」の利用も10ポイント減少している。

無許諾音楽アプリの利用をやめた理由は「アーティストにお金が支払われないから」が最多

過去に無許諾音楽アプリを使ったことのある利用経験者に無許諾音楽アプリの利用をやめた理由を聞くと、最も多かったのは「アーティストにお金が支払われないから」が41%、「安心/信頼できないから」が33%、「アプリの開発/運営元があやしいと思うから」が29%という結果に。

無許諾音楽アプリの違法性や開発元に不信感があり、実態を理解している利用者は無許諾音楽アプリの利用をやめていることが分かるという。

無許諾音楽アプリのイメージ「違法アプリだと思う」が最多

無許諾音楽アプリを知っているが利用していないユーザーに、無許諾音楽アプリのイメージをきくと、「違法アプリだと思う」が最も多く53%、「アーティストにお金が支払われない」が39%と、実情への理解が広がっているとみられ、今後も啓蒙活動を続けていくことで改善が見込めると考えられるとのことだ。

無許諾音楽アプリ最頻利用者の半分は10代20代、約6割が女性

一方で無許諾音楽アプリの利用は続いており、無許諾音楽アプリ最頻利用者の約5割が10代~20代で、性別は女性が約6割と女性の方がやや多いことが分かった。

無許諾音楽アプリ最頻利用者に使っている理由を聞くと、「十分満足できるサービスだから」「便利なサービスだから」という回答が多く、普段利用している無許諾音楽アプリに対して、85%の人が「満足している」と感じており、利用者にとっては満足度が高いサービスであるという結果となった。

アーティストにお金が支払われていないとしても、「引き続き使う」と回答した利用者が6割超え

アーティストにお金を「支払っていると思う」・「考えたことがない/わからない」と回答した無許諾音楽アプリ最頻利用者に、もし、今使っている音楽アプリ・サービスがアーティストにお金が支払っていなかったら、今のアプリの利用意向がどうなるかを聞いたところ、「引き続き使う」という利用者が64%と、「使わないと思う」はわずか1割台に留まった。

お気に入りのアーティストが、普段使っている音楽アプリに反対の意思を示したら、約3人に1人は無許諾音楽アプリの「利用をやめると思う」と回答

お気に入りのアーティストが、普段使っている音楽サービスの利用を反対していると知ったら、どうしますか?と聞いたところ、無許諾音楽アプリの最頻利用者の約3人に1人が「今後は使わないと思う」と中止の意思を持つという結果に。

女性の方が男性よりその傾向が強くアーティスト自らが無許諾音楽アプリ反対の声をあげることで特に10代女性や40代女性で、無許諾音楽アプリの利用をやめようと思う気持ちが後押しされる傾向があることが分かったという。

この結果から、音楽関連団体および各音楽配信サービスの啓蒙活動と併せて、アーティスト自らが「無許諾音楽アプリの違法性」を訴えていくことも、無許諾音楽アプリについての正しい知識や利用に歯止めをかけるカギとなると考えられる。

今回の調査結果は、LINE MUSICおよび音楽配信サービス事業会社である3社と一般社団法人日本音楽制作者連盟などの音楽関係4団体との連盟で、Apple Inc.に対し「無許諾音楽アプリの対策強化についての要望書」を提出したことなど、音楽業界が一体となってこれまで啓蒙活動を続けてきたことによる啓蒙活動の成果を感じる結果となった。

また、10月1日にはリーチサイト・リーチアプリを規制の対象とする改正著作権法も施行され、一般社団法人 日本レコード協会が、違法音楽アプリの根絶に向けた特設サイト「あの音楽アプリは、もう違法。」を公開。

今後はアーティストも一緒になって業界全体が啓蒙活動を続けることで、正しい理解の浸透が望めると期待されるとのことだ。

LINE MUSICでは、アーティストの楽曲を預かりユーザーに音楽を届ける正規の音楽サービスとして、今後も音楽業界の早急な健全化を目指して、「無許諾音楽アプリ」の啓蒙活動の一環として無許諾音楽アプリの利用実態調査を続けていくとしている。

調査概要
調査主体:LINE
調査対象:LINEリサーチモニター、日本全国在住15~59歳男女
調査方法:LINEリサーチ プラットフォーム利用の調査
調査時期:事前調査 2020年9月4日から7日 本調査 2020年9月4日から7日
有効回答数:事前調査 55,083人、本調査 3,553人
(有料サブスク最頻利用者 2,164人、無許諾音楽アプリ最頻利用者 1,389人)

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