デンソーとデンソーウェーブは、1994年に開発した2次元コード「QRコード」がIEEEの主催する「IEEEマイルストーン」に認定されたことを発表した。

QRコードが世界中の企業の製造・管理業務の改善に寄与したことや、電子決済などの多様なアプリケーションで利用されていることが評価されたという。

IEEEマイルストーンは、電気・電子分野において、社会や産業の発展に貢献をした歴史的な業績を表彰するもの。1983年に制定され、2019年末時点では、全世界で207件がIEEEマイルストーンに認定されており、デンソーグループとしては、今回が初めての認定となる。

デンソーウェーブは、「読み取りやすく、大容量の情報が扱える」というコンセプトのもとに、1994年にQRコードを開発。バーコードの約200倍の情報が扱え、高速に読み取ることができる画期的な2次元コードで、主に社内の製造現場における在庫管理などで活用を開始した。

その後、特許を無償開放し普及活動に注力した結果、1990年代後半には、製造業を中心に、品質、製品出荷、在庫などの管理業務で利用が始まり、さらに、食品や薬品など異なる業界においても商品管理などの分野で利用が拡大している。

2000年代前半には、カメラ機能を搭載した携帯電話の普及と共に、人々の生活の中にも広がり、近年では、電子チケットや電子決済など多様なシーンで利用されている。

開発から25年以上たった現在も、デンソーウェーブにおいてQRコードの新たな機能開発は続いている。例えば、一つのコードに「公開用」と「非公開用」の2種類のデータが格納できる「SQRC」、人の顔の特徴をQRコード化できる「顔認証SQRC」、自由なデザインとセキュリティを両立した「フレームQR」などを開発し、本人確認や、偽造品対策、電子チケット生成などの分野に展開していく予定とのことだ。