エーザイは、エーザイを代表機関とする研究開発プロジェクト「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化を阻止する治療薬の開発」が採択され、4つの分担研究機関(カン研究所、国立国際医療研究センター、長崎大学、横浜市立大学)とともに共同研究を開始したことを発表した。
共同研究は、日本医療研究開発機構(AMED)が実施する、令和2年度 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発」に係る公募(2次公募)におけるもの。
SARS-CoV-2感染によるCOVID-19患者は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)やそれに引き続く多臓器不全などにより重症化する例が報告されている。
この重症化の過程においては、血管障害の形成と増悪、さらにはサイトカインストーム*の関与が想定されている。しかし現時点では、SARS-CoV-2感染に基づく重症化のメカニズムが十分に解明されているわけではないという。
共同研究ではSARS-CoV-2感染非臨床動物モデルの構築と、既に治験実績のあるエーザイ創製のTLR(Toll-Like Receptor)4拮抗剤エリトランおよびエーザイの研究子会社であるカン研究所創製の抗FKN (フラクタルカイン)抗体E6011の薬効評価を行う。
また、SARS-CoV-2感染患者由来の臨床サンプルを用いたバイオマーカー探索を推進します。本共同研究を通じてSARS-CoV-2感染に基づくCOVID-19重症化のメカニズムの解明と、重症化を未然に防ぐ薬剤の創出を目指すとのことだ。
同社は、COVID-19拡大との闘いにおいて、ヒューマン・ヘルスケア (hhc )理念のもと、治療薬開発、医薬品の安定供給、ならびに各国における支援活動等を継続していくとしている。