デンソーは、「あたかも一つ屋根の下にあるかのごとく」というコンセプトの下、世界130工場をIT、IoTの技術でつなぐ、Factory-IoTプラットフォームを開発したと発表した。
オープンソースソフトウエアを活用したクラウドネイティブなプラットフォームの自社開発は業界初であるという。今回開発したプラットフォームにより、工場のさまざまな機器から収集したデータを一つのクラウドに蓄積し、自由に活用できるようになるとのことだ。
世界の工場がクラウドでつながることで、各地の需要に合わせた生産変動などにも即座に対応できるグローバルな生産体制の強化や作業者の動きや生産設備の稼働状況などのリアルタイムな分析が可能に。
また、これまで長年にわたり積み重ねてきた物理的な改善活動に、現場のエンジニアが自らソフトウエアを用いたデジタルの力を取り入れることができ、さらなる改善の加速につなげていくとしている。
例えば、各種デバイスを連携させることで作業者への設備異常の情報通知などが可能であるという。
デンソーは、約2年間の開発期間を経て2019年10月から、Factory-IoTプラットフォームの運用を開始。開発の際には、次の3つのことを重視したという。
まず、社内のソフトウエア技術者が運用開始後も継続してプラットフォームを改善、進化させられること、次に小さな試行を素早く繰り返すアジャイル開発でスピード感をもって開発できること、そして、開かれたプラットフォームとして社内外のパートナーとデータを共有でき、共に改善やアプリケーション開発を進められることであるとのことだ。
その結果、既存のサービスではなく、業界では初めて、クラウドネイティブなFactory-IoTプラットフォームを自社で開発するに至ったとしている。
なお、同社はこれから順次、世界130工場を今回開発したプラットフォームとつなげていき、また、プラットフォームを使いこなすための教育やアプリケーション開発者の育成も進めていくという。
デンソーは、IT、IoT技術で現場の改善活動を加速することで、社員が生き生きと活躍できる工場を目指していくと同時に、より多くの人に高い品質の製品を届けることで、世界中の安心で安全なクルマ社会の実現に貢献していくとしている。